犬や猫のミネラル不足に注意! 与えすぎもNG? 健康を守るための基礎知識と対策

私たちと同じように、犬や猫にとっても栄養バランスは健康維持の基本。
中でも「ミネラル」は、体内では合成できないため、食事や飲み水から摂取する必要がある重要な栄養素です。
でも、「不足しているかも」と焦って与えすぎてしまうと、かえって健康を害してしまう可能性も。
今回は、犬や猫に必要なミネラルの種類、不足した場合の症状、そして与える際の注意点をご紹介します。
また、普段の飲み水がミネラル摂取に与える影響や、適切な飲み水管理の大切さにも触れていきます。
5大栄養素のひとつ「ミネラル」は微量でも必須
タンパク質・脂質・炭水化物は「三大栄養素」と呼ばれ、体づくりやエネルギー源として使われます。
対して、ビタミン・ミネラルは「五大栄養素」の中で体の調子を整える役割を持ち、必要量は少量ながら生命維持に欠かせません。
特にミネラルは体内で合成できず、外からの摂取が必須。
骨や筋肉の発育、神経や免疫の機能維持に関わり、犬や猫の成長期や高齢期にも重要です。
主なミネラルとその働き、不足時の症状
つぎに、さまざまなミネラルの種類についてみていきましょう。
カルシウム
骨や歯を作り、神経や筋肉の働きを支える重要なミネラル。
不足すると骨折やけいれん、発育不良を引き起こします。
小魚や犬猫用の乳製品から摂取できますが、乳糖不耐症に配慮しペット用を選びましょう。
リン
カルシウムと共に骨や歯を作り、エネルギー代謝にも関わります。
不足すると疲れや反射の低下が見られます。
肉や魚、大豆に多く含まれますが、摂りすぎは骨に悪影響を及ぼすことも。
カリウム
水分や電解質のバランスを整え、心臓や筋肉の働きを支えます。
不足すると脱水や筋力低下、不整脈の原因に。
海藻や鰹節に豊富です。
ナトリウム
水分調整や神経・筋肉の働きを助けます。
不足すると食欲不振や脱水に。
過剰摂取は腎臓や血圧への負担になるため、塩分管理が大切です。
マグネシウム
骨の形成や代謝、神経の安定に関わります。
不足すると発育不良やけいれんを招きます。
海藻や大豆に多く含まれますが、 猫は尿路結石のリスク があるため注意が必要です。
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微量でも重要なミネラル
鉄分
酸素を運ぶ赤血球の材料。
不足すると貧血や免疫力低下に。貝や海藻から摂取できます。
亜鉛
皮膚や被毛の健康を保ち、傷の回復にも関与。
レバーやごまに多く、欠乏すると皮膚炎や免疫低下を引き起こします。
銅
毛色の維持や鉄の利用に関わります。
不足すると被毛の変色や貧血が起こることがあります。
マンガン
骨の成長や運動機能を助けるミネラル。
不足すると成長障害や運動能力の低下に。
ヨウ素
代謝を調整する甲状腺ホルモンを作るのに必要です。
足りないと発育や代謝に問題が出ることも。海藻類に多く含まれます。
セレン
抗酸化作用があり、免疫維持にも効果的。
不足すると老化が進みやすくなります。魚介類に多く含まれます。
与えすぎはNG! ミネラルバランスの重要性
ミネラルは「多ければ良い」わけではありません。
特にリンやナトリウム、マグネシウムなどは 過剰摂取によって腎臓病や尿路疾患を引き起こすリスク があります。
https://petra.jp/877https://petra.jp/877
食事のバランスを崩さないように、まずは総合栄養食を基本にしてください。
水に含まれるミネラルにも注意を
飲み水にもカルシウムやマグネシウムといったミネラルが含まれます。
特に硬水(ミネラルが多く含まれる水)は、猫の尿路結石や犬の腎機能に悪影響を与えることも。
日本の水道水も一部の地域では中硬水のため、より 安全を重視する方はミネラルウォーターやウォーターサーバーの導入 も検討してみてください。
https://petra.jp/1592https://petra.jp/1592
ミネラルは過不足なく
犬や猫にとっても、ミネラルは健康を支える大切な栄養素です。
しかし、不足だけでなく「過剰」にも注意しなければなりません。
まずは食事内容を見直し、ミネラルバランスが整った総合栄養食を与えること。
そして飲み水にも意識を向け、安心して与えられる軟水や、新鮮で清潔な水の用意を心がけましょう。
- 2025.06.24
- 2017.05.12