攻めの水分補給に! ふやかしドライフードのすすめ

ナイフとフォークの画像

これからの暑い季節こまめな水分補給は必須ですが、なかなか水を飲みたがらない猫ちゃんも多く、わんちゃんでもジュニア期・シニア期で思うようにいかないというケースも少なくありません。

そこでおすすめしたいのが、ドライフードを「水(お湯)でふやかして与える」という方法。

実はこれ、水分摂取が不足しがちな犬や猫にとって、非常におすすめの与え方です。

今回は、そんな「ふやかしフード」の基本手順から注意点まで詳しくご紹介します。

ドライフードをふやかす5つの手順

ふやかしフードの作り方はとても簡単です。 ただし、ポイントをしっかり押さえておかないと逆に食いつきが悪くなったり、栄養を損ねてしまったりすることも。

つぎの流れで行うと安心して与えることができます。

1.いつも通りにフードを計量する - ふやかすからといって量を変える必要はありません - 器に通常の量を入れましょう 2.水、またはぬるめのお湯を加える - 目安は40~50℃くらいのぬるま湯です - お湯を使うとフードの香りが引き立ち、食欲をそそる効果が期待できます - ただし熱湯はNG。栄養素が壊れたり、風味が飛んだりしてしまいます 3.3~10分ほどふやかす - 季節や室温によりますが、3分ほどで表面が柔らかくなり始めます - 完全にふやけた状態が好みであれば10分ほど待ちましょう - ただし長時間放置は雑菌繁殖の原因になるため避けてください 4.温度を確認する - フードが熱すぎないか、指で触ってチェックしましょう - 冷めても問題はありませんが、熱いまま与えるのは危険です 5.必ず汁ごと与える - ふやかした際に出る汁には、フードから溶け出した栄養素や風味成分が含まれています - 汁を捨ててしまうと、せっかくの水溶性ビタミンや嗅覚刺激の要素も一緒に失われてしまいます

ふやかしフードのメリットと注意点

ふやかしたドライフードにはさまざまなメリットがありますが、いくつか注意点もあるのでチェックしておきましょう。

  • 食いつきの改善
    • お湯でふやかすと香りが強くなるため、食欲が落ちている犬にも効果的 -においで食べたくなるのは、犬や猫にとってとても大切なことです
  • 水分摂取の補助になる
    • 普段あまり水を飲まない子も、ふやかしたフードを食べることで自然と水分補給できます
    • 夏場の熱中症対策やシニア期の健康維持にもおすすめです
  • 消化の負担が減る
    • がっつき食べをしやすい子は、ふやかしフードで食べるスピードをゆるやかにすることで胃腸への負担軽減が期待できます
  • 保存は不可
    • ふやかしフードは作り置きに向きません
    • 雑菌の繁殖リスクがあるため食べ残しはすぐに処分しましょう

だし汁で食欲増進

ふやかしたドライフードには、水やお湯にだし汁を加えてあげることで、より香りが強くなり食いつきが良くなります。

だしを使うメリット

  • 香りが強くなり、嗅覚を刺激できる
  • アミノ酸やミネラルなどの栄養素が含まれる ただし、内臓への負担もあるため、加えるのはごく少量*
  • 食欲が落ちたときの一時的な刺激として

「ごく少量」の目安としては一食あたりで、

  • 体重5kg以下
    • 小さじ1~2杯(5~10ml)
  • 体重5kg~15kg
    • 大さじ1程度(15ml前後)
  • 体重15kg以上
    • 大さじ2程度(30ml前後)

にとどめるのが良いでしょう。

だしを使うときの注意点

だし汁を加えるときは市販の人間用のだしはおすすめできません。 人間用のだしの多くは塩分・添加物が多く、犬や猫には適さないためです。 自宅で「無塩・無添加」のものを選んで煮出したものを使うか、原材料をよく確認して使用しましょう。

また、昆布には*ヨウ素(ヨード)*という栄養素が非常に多く含まれています。 これは犬や猫の甲状腺に影響を与える可能性があり、慢性的な摂取で健康を害するリスクがあります。

さらに、鰹節に含まれる豊富なミネラル(リン・マグネシウム)が尿路結石の原因となることもあります。 保存状態によってはヒスタミンという成分が増えてしまい、アレルギーの原因になってしまうことも。

*だし汁を使うときは「ごく少量・たまに・無添加」*が鉄則です。 日常的に与えるのは避け、嗜好性アップのための「たまのお楽しみ」にとどめましょう。

犬や猫の水分補給にはふやかしフードを

ドライフードをふやかす方法は、ちょっとした工夫で犬や猫の健康と満足感を高められるお手軽な方法です。 手順を守り安全で美味しいごはんタイムを演出してあげてください。

特に食が細い子や歯が悪くなってきたシニア期、水分不足が気になるジュニア期の子にとっては、毎日のケアの一環としてぜひ取り入れたい方法です。

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