ウェットフード派が急増中! 猫の健康と食事の新常識

ウェットフードを分け合う2頭の猫たちの画像

猫にとって毎日のごはんは健康と長生きのカギを握る大切な要素。
これまで利便性やコストの面でドライフードがメインに選ばれてきましたが、最近になってウェットフードが再注目されています。

では、ウェットフードにはどのようなメリットがあり、なぜ選ばれているのでしょうか?

今回は、猫にウェットフードを与える5つのメリットと注意点をわかりやすくご紹介します。

ウェットフードの5つのメリットと注意点

それでは、さっそくドライフードと比較したウェットフードのメリットと注意点をご紹介します。

1. 水分補給がしやすい

猫はあまり水を飲まない動物として知られています。
もともと砂漠地帯に住んでいた祖先をもつため、「水は食べ物から摂る」という習性があるのです。

その点、ウェットフードは約70〜80%が水分で構成されているため、猫の本能に近い形で自然と水分補給ができます。
とくに泌尿器系や腎臓が弱い猫に、この点はとても重要です。

一方で、食べやすくて飲み込みやすいため、つい与えすぎてしまうという落とし穴もあります。
カロリー密度は低めでも、過剰に与えると体重増加のリスクがあるため、給与量には注意しましょう。

2. 食欲を刺激する香りとやわらかさ

ウェットフードは香りが強く、食感もしっとりしていて猫の本来の食事に近い魅力があります。
特に食欲が落ちてきたシニア猫や体調を崩している猫にとって、食欲を引き出す有効な手段になります。

また、口内炎や歯周病などで咀嚼が難しい猫でも、ウェットフードならやさしく食べられるのも嬉しいポイント。

ただし、香りの強いウェットフードは脂質が高めの商品も少なくありません。
グレービー(とろみ)タイプなどは高カロリーな場合もあるため、「食いつきがいいから」といってたっぷり与えすぎると肥満の原因になりかねません

3. 食事の栄養バランスを整えやすい

ウェットフードの中には、総合栄養食と呼ばれるタイプがあります。
これは、「そのフードだけで必要な栄養素をすべて満たすように設計された食事」で、ドライフードと同じく主食にもできるものです。

一方、「一般食」や「おかず」と表記されているものは補助的な役割を持つフードであり、これだけでは栄養が偏ってしまいます。

どちらのタイプかをしっかり確認し、総合栄養食をメインに一般食はトッピングやおやつとして適量を与えるようにしましょう。

また、ドライとウェットを組み合わせる「ミックスフィーディング」という与え方もおすすめ。
香りや食感のバリエーションが増えて飽きにくくなるだけでなく、栄養のバランスも取りやすくなります

それぞれのカロリー表示を確認して、愛猫に合った量を調整しましょう。

4. 添加物が少ない傾向がある

ウェットフードは缶詰やパウチなど密封されたパッケージで販売されているため、保存料をあまり必要としない傾向にあります。
そのため素材の風味をいかしたシンプルな成分構成で作られているケースが多く、添加物の摂取をできるだけ避けたい飼い主さんにも人気です。

ただし、すべての製品が無添加というわけではありません。
特に「一般食」タイプは嗜好性を高めるために香料や調味料が使われていることもあります。

安心して与えるためにも、原材料や成分表示をよく確認する習慣をつけましょう。

5. 投薬・トッピングにも便利

病気のときや療養中の猫に薬を飲ませるのは、飼い主さんにとって大きなストレスになることがあります。
そんなとき、ウェットフードに薬を混ぜて与えると、比較的スムーズに飲んでくれるケースも。

また、いつものドライフードに少量ウェットフードをトッピングするだけでも、香りと食感が変わって食べてもらいやすくなります。

猫は気分屋な一面もあるので、こうした小さな変化で食への興味を引き出す工夫はとても重要です。

ウェットフードは正しく使えば強い味方

ウェットフードは、水分補給、食欲増進、栄養サポート、咀嚼のやさしさなど、猫の健康を支えるさまざまなメリットを持っています。

一方で、与えすぎや製品選びのミスが肥満や栄養バランスの崩れにつながることも。
そのため、つぎの点には必ず注意してください。

  • 給与量を守る
  • パッケージ表示をよく確認する
  • 体重や体型を定期的にチェックする
  • 総合栄養食と一般食を正しく使い分ける

この基本さえ押さえておけば、ウェットフードは猫の健康維持にとても心強い選択肢になります。

「おいしさ」と「健康」を両立する食事

愛猫の食事は、体調や年齢によって適したスタイルが異なります。
ウェットフードは「おいしく食べられること」と「体にやさしいこと」の両方を叶える、非常にバランスのよい食事方法です。

ただし、なんでも「良さそうだから与える」だけでは不十分。
猫の個性や体質に合わせて、適切な量・種類・与え方を考えることが大切です

愛猫がいつまでも元気に過ごせるよう、今日から食事の内容を見直してみましょう。

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