犬や猫にインフルエンザはうつる? ペットの感染リスクと予防

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11月も半ばになり、今年もインフルエンザの流行が叫ばれています。
でも安心してください。
このインフルエンザ、犬や猫に伝染ることも、犬や猫から伝染されることも基本的にはありません。

今回は、人と犬猫たちのインフルエンザの違い、そして誤解の原因についてご紹介します。

犬には犬のインフルエンザ

犬には「犬インフルエンザウイルス(CIV)」と呼ばれるウイルスが存在します。
代表的なのがH3N8型とH3N2型で、人がかかる季節性インフルエンザとは別の種類

感染した場合、人と同じく咳や発熱、鼻水などを引き起こし、軽症で終わることもあれば数週間ほど咳が続くこともありますが、この犬インフルエンザが人に伝染るという確実な報告はありません
つまり、普段の生活で犬から人へ感染することはほぼないと考えていいでしょう。

ただ、過去には人のH3N2が犬に感染した例も確認されています。
ウイルスが変異して別の動物に感染する現象は、極稀ながら起こりえます。

かなり低い確率のため、豆知識程度に覚えておくと良いかもしれません。

猫にも猫のインフルエンザ

猫にも固有のインフルエンザウイルスがあり、特に「H7N2型」などが知られています。
やはりこちらも人間のインフルエンザとは別物で、犬インフルエンザと同様、人に感染することはほぼありません

人とペットの間でインフルエンザが感染する可能性

人のインフルエンザと犬猫のインフルエンザは、そもそもウイルスの種類が違います。
そのため、相互に感染することは基本的にありません。

犬インフルエンザ(CIV)が人に感染した明確な症例はなく、科学的には「現状では人獣共通感染のリスクは極めて低い」と評価されています。
猫については、わずかながら人へ感染した例が存在はしますが、これは多頭飼育環境というやや特殊な背景があったそう。

つまり、通常の家庭環境で犬や猫からインフルエンザをもらうような状況は、ほぼ心配無用です。

一方かの「鳥インフルエンザ」

私たちの身の回りにはもうひとつ身近なインフルエンザ、「鳥インフルエンザ」があります。

そしてこの鳥インフルエンザ、とくにH5N1のような高病原性タイプは、犬や猫にも感染しうることが知られています。
人のインフルエンザと違い、動物種をまたいで感染するほど強い感染力をもつタイプも存在するということです。

レアケースながら感染例が報告されている猫では、野鳥や感染した鳥を食べたり、死骸に触れたりすることで発症した例があります。 重篤化すると呼吸困難や神経症状が出ることがあり、死亡に至った例も報告されています。

犬も同様に感染の報告がありますが、猫よりさらにレアケースのようです。
猫と違い、鳥との接触が起こりやすい屋外での飼育が少ないことも原因のひとつかもしれません。

室内飼育で野鳥などとの接触が少ない場合は、感染リスクはかなり低いと考えていいでしょう。

また、鳥インフルエンザが犬や猫を経由して人に感染した例は確認されていません
鳥インフルエンザは変異しやすいウイルスのため油断はできませんが、ひとまずは安心して良さそうです。

季節の変わり目の体調ケア

愛するペットたちに私たちのインフルエンザが伝染る可能性はかなり低いことがわかりましたが、そうでなくとも季節の変わり目は体調を崩しやすいタイミング。
気温が下がり空気が乾燥することで、咳がでやすくなったり、呼吸器のトラブルが増える季節でもあります。

加湿や換気、室温管理など、適切なケアでペットの健康を守りましょう。
そして、気になる症状があれば、早めに獣医師へ相談することをおすすめします。

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