集まれ! 世界のロイヤル・アニマル! 王室と犬と猫の歴史

記事の画像

世界中の王室で、犬や猫が文化や歴史を象徴する存在として大切に扱われてきました。
国を超えて愛されてきた彼らの歴史は、動物たちが人とともに歩んできた足跡がより鮮明に見えてくるようです。

今回は各国の王室が迎えてきた犬たち、猫たちからその背景にある価値観や文化をみていきましょう。

イギリス王室と愛すべきコーギーたち

イギリス王室ほど動物と深く結びついた王室は世界的にも珍しいと言われています。

エリザベス二世女王はウェルシュ・コーギー・ペンブロークを生涯で三十頭以上迎え入れたとして有名です。
その姿は多くの写真や映像に残り、コーギーは英国王室の象徴といっても過言ではありません。
コーギー以外にも、ラブラドールやスパニエルなどの狩猟犬も王室では愛されています。

また、チャールズ三世とカミラ王妃は保護犬としてジャックラッセルテリアを迎え入れたことでも知られ、その動物愛護の精神は多くの市民からの共感を集めています。

フランス王室と優雅なパピオン

フランス王室は優雅で華やかな生活文化を持ち、その中でも犬は特に重要な存在でした。
マリー・アントワネットが愛したことでも知られるパピヨンは、軽やかな耳の形から「蝶」を意味する名前が与えられています。
宮廷文化に彩られた犬種として、パピヨンの気品は犬好きの間でも有名です。

また、同じくフランスの象徴としてはプードルも有名です。
もともとは狩猟犬として活躍した犬種ですが、宮廷に迎えられこちらも「優雅な犬」という印象を強くしました。
多くの絵画でプードルが描かれるのもこのためです。

デンマーク王室と北方のそり犬

デンマーク王室ではグリーンランド・ドッグが特に有名です。
北極圏にルーツを持つ強靭な犬で、そり犬として長く活躍してきました。

マルグレーテ二世女王はこの犬種を長年大切に育ててきたことで知られています。
国の歴史と深く結びつく犬種として、これほど説得力のある選択もありません。

ノルウェー王室と山岳狩猟犬

ノルウェーは山岳と狩猟の文化が深く、エルクハウンドのような伝統的な狩猟犬が多くの貴族に愛されてきました。
王族が自然の中で暮らす時間を大切にしてきたことが感じられます。

現代ではプードルなど家庭犬も迎えられ、王室という場所も時代とともに変化していることが感じられます。

ロシア帝国と神秘的な犬と猫

ロシア皇室では、長くしなやかな体と俊敏さを持つボルゾイが宮廷の美意識を象徴する犬種とされ、ニコライ二世が特に溺愛したそう。

また、宮廷でロシアンブルーが飼われていたという伝承も残っています。
いずれも毛並みが美しく、どこかミステリアスな気品の漂うチョイスです。

タイ王室とシャム猫

猫の歴史の中で、タイ王室のシャム猫ほど「王家と結びついた猫」は極めて珍しい存在です。
シャム猫はかつて王宮や寺院で神聖な動物とされ、その存在には特別な意味がありました。
明るいブルーの瞳とエレガントな体つきは、今でも世界中の愛猫家を魅了しています。

また、前国王ラーマ九世は保護犬を多く迎えたことでも知られ、中でも雑種犬トンダーンとの絆は多くの国民に知られています。
高貴さの中にも、温かな思いやりを感じられるエピソードです。

日本の皇室と保護動物の精神

日本の皇室では、血統書付きの犬猫よりも保護犬や保護猫を迎えられることが多いようです。
愛犬だった雑種犬の由莉は16年以上の間、家族として愛され、近年迎えられた猫の美海とセブンも保護猫です。
どこか日本的な寄り合いの精神を感じ、胸が温かくなりますね。

語り継がれる王室と犬猫の関係

世界の王室が迎えてきた犬や猫は、それぞれの国の文化や歴史を色濃く表す存在でした。
英国のコーギー、フランスのパピヨン、ロシアのボルゾイ、タイのシャム猫など、どれも美しく、どこか象徴的な印象です。

そして、日本の皇室が保護動物を迎えてきた姿勢もどこか日本的で、それゆえに多くの人の日本人の共感を呼ぶのでしょう。

これから街で彼らの同族を見かけたら、王族たちが愛したその歴史にも思いを馳せてみてください。

ペトラ編集部のプロフィール画像

ペトラ編集部

ペトラ編集部がお役立ちペット情報をお届け!