犬のフィラリア症とは? 症状と予防策

「フィラリア」と聞いてもピンとこない方もいるかもしれませんが、 犬や猫にとっては命に関わる病気 のひとつなんです。
今回は フィラリア症の発生・症状・予防・治療法 まで、はじめての方にもわかりやすくご紹介していきます。
後悔する前に、ぜひチェックしてみてください。
フィラリア症の原因と感染経路
フィラリア症の正式名称は「 犬糸状虫症(けんしじょうちゅうしょう) 」。
これからの季節に増え始める 「蚊」を通じて感染する寄生虫の病気 です。
フィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)は、感染した犬の血液の中にいます。
蚊がその血を吸うと、幼虫は蚊の体内で育ち、感染力を持った状態(L3幼虫)に進化 。
その蚊がさらに次に別の犬や猫を刺すと体内にフィラリアが入り込み、 半年ほどかけて心臓や肺動脈に到達・寄生します 。
症状が出るのはいつから? 見逃しやすい初期のサイン
フィラリア症の厄介なところは、 初期症状がほとんど目立たない こと。
体内に侵入したフィラリアは少しずつ大きくなり、 半年〜数年かけて心臓で悪さを始めます 。
よく見られる症状は、
- 軽い咳が続く
- 散歩を嫌がるようになる
- 食欲や元気がなくなる
- 呼吸が浅くなる・苦しそうにする
- お腹がふくらむ(腹水)
- 赤い尿が出る
など、「ちょっと疲れてるのかな?」と スルーしてしまいやすい 症状ばかりです。
さらに、 これらの症状が出る頃にはすでに進行してしまっている ことが多く、注意が必要です。
ただ、フィラリア症は 予防さえすればほぼ100%防げる病気 です。
予防を始めるタイミングは?
蚊が出始めた「 約1ヶ月後 」から、毎月1回の投薬が基本です。
たとえば、4月に蚊を見かけたら5月に投薬をスタートし、 蚊がいなくなってから1ヶ月後まで続ける のが目安です。
最近は 地球温暖化の影響か蚊の活動期間が延びている ため、地域によっては 3月〜12月まで予防が必要 なケースもあります。
予防薬のタイプ
- おやつ型(チュアブル)
- 喜んで食べてくれる万能型
- 飲み薬(錠剤)
- コスパ重視の人向け
- スポットタイプ(首の後ろに垂らす液体)
- 飲み薬が苦手な子向け
- 年1回の注射タイプ
- 忙しい人向け
さらに、 ノミ・マダニ・回虫なども同時に予防できるオールインワン型 のお薬も増えています。
治療が必要になったら? 治療法と費用の目安
万が一フィラリア症の感染が進んでしまった場合、 駆虫剤や場合によっては外科手術 が必要になります。
治療は段階を踏んで行われるため、時間も費用もかかります。
たとえば、
- 軽度の治療
- 駆虫薬
- 定期的な検査
- 重度の治療
- レントゲン
- 超音波
- 血液検査
- 手術
軽度の場合は数万円程度ですが、重度の場合は10万円以上になることもあります。
また、治療中は 安静・運動制限・心臓への負担軽減のための管理 が必要で、 犬とっても大きなストレス がかかります。
フィラリアから愛犬を守るために
フィラリア症は、 蚊に刺されることで感染する防げる病気 です。
しかし一度感染してしまうと、 発見しにくく・治療も大変 。
だからこそ、飼い主としてできることはシンプルです。
- 定期的な予防薬の投与を忘れないこと
- 蚊が出始める時期を把握すること
- 毎年検査を受けて健康チェックをすること
決して、 「うちの子は大丈夫」とは思わないでください 。
たった1匹の蚊で感染するため室内飼育だからと安心はできません。
愛犬の毎日の健康のために、予防は「習慣化」してあげましょう。
- 2025.04.14