犬のおならが臭い! 止まらない原因と食事で変わる腸活ケア

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愛犬とのリラックスタイムに、ふと強烈なニオイが漂ってきて驚いた経験はありませんか? 犬がおならをするのは生理現象の一つですが、あまりにも臭かったり回数が多かったりする場合は体からのSOSかもしれません。 今回は、愛犬のおならが臭くなる原因や病気のサイン、そして家庭でできる腸活ケアについてご紹介します。

犬がおならをする基本的なメカニズム

そもそも犬も人間と同じように、消化活動の過程でおならが出ます。

おならの主な成分は、食事の際に一緒に飲み込んだ空気と、腸内で食べ物が消化・発酵する際に発生するガス。 健康な状態であれば、おならの99%は窒素や酸素、水素といった無臭のガスで構成され、そこまで強い臭いはありません。

しかし、腸内環境が乱れて悪玉菌が増えると、アンモニアや硫化水素といった強烈なニオイを放つガスが発生します。 これが「臭いおなら」の正体です。

また、犬種によってもおならの出やすさには違いがあります。

パグやフレンチ・ブルドッグ、ボストンテリアなどの短頭種 は、鼻の構造上、呼吸をする際に空気を飲み込みやすい傾向があります。 これを「呑気症(どんきしょう)」と呼びますが、飲み込んだ空気が多ければ多いほど、排出されるガスの量も増えることになります。

「臭いおなら」を引き起こす主な4つの原因

愛犬のおならが明らかに臭い場合、そこには必ず原因があります。 一時的な体調不良であれば問題ありませんが、慢性的に臭い場合は生活習慣の中に原因が潜んでいることも少なくありません。 ここでは、代表的な4つの原因についてご紹介します。

食事の内容と質による影響

最も大きな原因として挙げられるのが、毎日の食事です。 犬は本来肉食に近い雑食動物 であり、穀物の消化があまり得意ではありません。

トウモロコシや小麦が多く含まれている安価なドッグフードは、消化しきれずに腸内に残り、異常発酵を起こしてガスを発生させる原因となります。

また、消化吸収率の低いタンパク質や、添加物が多く含まれるおやつも腸内環境を悪化させる要因です。

一方で、高タンパク・高脂肪な食事を与えすぎるのも考えものです。 タンパク質は筋肉を作るために欠かせませんが、過剰に摂取すると消化しきれずに大腸まで届いてしまいます。 大腸に届いた未消化のタンパク質は、ウェルシュ菌などの悪玉菌のエサとなり、腐敗して強烈な硫黄臭のするガスを作り出します。

「最近フードを変えたばかり」という場合は、そのフードが愛犬の体質に合っていない可能性を疑いましょう。 さらに、特定の食材に対する食物アレルギーが原因で腸内環境が乱れ、ガスが発生しているケースも警戒してください。

早食い・ドカ食いによる空気嚥下

食べることが大好きで、ガツガツと勢いよく食べてしまう愛犬は要注意です。

早食いやドカ食いをすると、フードと一緒に大量の空気を胃の中に送り込んでしまいます。 これを「空気嚥下(くうきえんげ)」といいます。

飲み込んだ空気の一部はゲップとして出ますが、残りは腸へと送られ、おならの回数が増えるのが特徴です。 早食いは消化器への負担も大きく、消化不良を引き起こして臭いガスを発生させる悪循環にもつながります。

加齢による消化機能の低下

シニア期に入った愛犬の場合、加齢そのものが原因であることも考えられます。

年齢を重ねると、胃腸のぜん動運動が弱まったり、消化酵素の分泌量が減ったりして消化能力が低下します。 若い頃と同じフードを食べていても、うまく消化できずに腸内で異常発酵を起こしやすくなってしまいます。

また、加齢に伴い腸内の善玉菌が減少し、悪玉菌が優勢になりやすいとも言われています。 シニア犬がおならを頻繁にするようになったら、消化に優しい食事への切り替えを検討するタイミング といえるでしょう。

ストレスと環境変化

意外に見落とされがちなのが、ストレスによる影響です。

犬の腸と脳は「脳腸相関」と呼ばれる密接な関係にあり、自律神経を介して互いに影響し合っています。 引越しや家族構成の変化、長時間の留守番、運動不足などのストレスがかかると、自律神経のバランスが崩れて腸の働きが低下します。 その結果、腸内環境が悪化しておならが増えたり臭くなったりすることも。

繊細な性格の愛犬ほど、精神的なストレスがお腹の調子に直結しやすい傾向があります。

要注意! 病気が隠れている場合のサイン

たかがおなら、されどおなら。 おならは、時に深刻な病気が隠れているサインにもなります。 単なる食べ過ぎや消化不良であれば様子を見ても良いですが、つぎのような症状を伴う場合は速やかに動物病院を受診する必要があります。

まず注意したいのが、下痢や嘔吐を伴う場合。 これは 胃腸炎や炎症性腸疾患(IBD)、膵外分泌不全などの消化器系疾患の可能性 があります。

特に慢性的な軟便やおならが続く場合は、腸の粘膜に異常が起きているかもしれません。 また、お腹がパンパンに張っている、お腹を触ると嫌がる・痛がるといった様子が見られる場合も危険信号。 腸閉塞や腫瘍、あるいは腹水が溜まっている可能性も否定できません。

さらに、食べているのに体重が減っていく場合も要注意です。 寄生虫の感染や、栄養を吸収できない病気が潜んでいるおそれがあります。 便の状態やおならのニオイだけでなく、愛犬の状態をよく観察することが早期発見のカギとなります。

また、おならとは少し異なりますが、 食後に急激にお腹が膨らみ、苦しそうにしている場合は「胃捻転」の疑い があります。 これは胃がねじれてガスが溜まる緊急疾患で、処置が遅れると命に関わります。 胃捻転については、こちらの記事「命に関わる犬の胃捻転 原因と早期対処法」で詳しく解説しているので、大型犬の飼い主さんは特に注意してください。

今日からできる! おなら・ニオイ改善対策

病気ではないけれどおならが臭い、という場合は、生活習慣の改善で解決できることがほとんどです。 愛犬の腸内環境を整える「腸活」を取り入れ、健康的なお腹を目指しましょう。

ドッグフードの見直し

まずは毎日食べているドッグフードの原材料ラベルをチェック。 主原料が穀物(コーン、小麦など)になっているものは避け、肉や魚が主原料の高消化性フードを選ぶのがおすすめです。

最近では 「グレインフリー(穀物不使用)」や「グルテンフリー」のフード も増えており、これらは消化への負担が少なく、おならの改善に効果が期待できます。

また、腸内環境を整えるオリゴ糖や食物繊維が配合された「腸活ケア用」のフードを試してみるのも一つの手です。 フードを切り替える際は、いきなり全量を替えるのではなく、1週間〜10日ほどかけて徐々に新しいフードの割合を増やしていくことで、お腹への負担を減らすことができます。

サプリメントで腸内フローラを整える

食事だけでは補いきれない部分は、サプリメントでサポートします。 乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌などが配合された犬用サプリメントは、腸内の善玉菌を増やして悪玉菌の増殖を抑える効果があります。

また、消化酵素が含まれているサプリメントも、加齢による消化機能の低下を補うのにも効果的。 ヨーグルトや納豆などの発酵食品をトッピングとして与えるのも良いですが、人間用の加工品は塩分や糖分が含まれていることがあるため、 犬専用に作られた無添加のサプリメント を選ぶのが最も安全です。

食事スタイルを変えて早食い防止

早食いが原因でおならが出ている場合は、物理的に食べるスピードを落とす工夫が必要です。 フードボウルの底に突起がついている「早食い防止食器」を使用すると、少しずつしか食べられないため、空気の飲み込みを大幅に減らすことができます。

また、1回の食事量を減らして回数を増やす(1日2回から3〜4回にする)のも有効です。 胃腸への負担が分散され消化がスムーズになるため、ガスの発生を抑えることができます。 多頭飼いの場合は、他の犬に取られまいと焦って食べてしまうことがあるため、食事場所を離したりケージ内で落ち着いて食べさせたりする環境づくりも重要です。

適度な運動とお腹のマッサージ

運動不足は腸の動きを鈍らせ、ガスを溜め込む原因になります。 毎日の散歩でしっかりと体を動かすことは、腸のぜん動運動を活発にし、ガスの排出にも効果的。

雨の日などで散歩に行けないときは、室内でお腹のマッサージをしてあげるのもおすすめです。 愛犬を仰向けや横向きに寝かせ、おへその周りを時計回りに優しく撫でる「の」の字マッサージを行いましょう。 飼い主さんの温かい手で撫でられることでリラックス効果も高まり、副交感神経が優位になって腸の働きが良くなります。

ただし、食後すぐのマッサージは消化の妨げになるため避け、食後2〜3時間空けてから行うようにしてください。

愛犬の臭いおならの原因とかんたん腸活ケア

愛犬の「臭いおなら」は、単なる笑い話ではなく、腸内環境が悪化しているという体からの重要なメッセージです。 「たかがおなら」と放置せず、食事内容や食べ方、生活環境を見直す良い機会と捉えましょう。

腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど健康維持にとって重要な器官です。 腸内環境を整えることは、おならのニオイを改善するだけでなく、免疫力を高めて病気を予防し、愛犬の健康寿命を延ばすことにもつながります。

今日からできる腸活ケアで、愛犬との快適で健やかな毎日を守っていきましょう。

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