愛犬がうんちを食べる「食糞」の原因は? すぐに試せるしつけと対策

愛犬が自分のうんちを食べているのを見て、思わずお届きの声を上げてしまった方も多いはず。
実はこの行動、犬の世界では決して珍しいことではありません。
今回は、愛犬の健やかな毎日を守るために、今日からできる対策をご紹介します。
記事の要点まとめ
Q. 愛犬がうんちを食べる主な原因は何ですか?
消化不良や栄養不足、野生時代の名残、飼い主の反応や恐怖心、ストレスや退屈、空腹などが原因です。
Q. 食糞にはどのような健康リスクがありますか?
自分のうんちでも衛生面や口臭の問題があり、他犬のものだと寄生虫や細菌感染で下痢や嘔吐を起こすリスクがあります。
Q. 食糞をやめさせるために今日からできる対策は何ですか?
排泄物を素早く無言で片付ける、フードや量を見直す、呼び戻しやマテのしつけ、運動や遊びでストレスを減らすことです。
愛犬がうんちを食べる4つの原因
うんちを口にしてしまう行動は、 食糞 と呼ばれるもの。
私たち人間からするとショッキングな光景ですが、犬にとってはしっかりとした理由がある、心や体の状態を伝える大切なサインです。
ここからは、食糞を引き起こす主な4つの理由を順番に紐解いていきます。
消化不良や栄養不足による本能的な行動
毎日の 食事が体に合っていない場合、うんちの中に未消化の栄養素が残ってしまう ことがあります。
犬の優れた嗅覚は、そのわずかに残った食べ物の匂いを敏感に嗅ぎ取り「まだ食べられるもの」と勘違いして、再び口に運んでしまうケースが見られます。
また、成長期の子犬や運動量の多い活発な愛犬の場合、単純にカロリーや特定のミネラル、ビタミンなどの栄養素が足りていないことも理由のひとつ。
体が無意識のうちに不足している栄養を補おうとする、生き物としての自然な行動とも言えます。
さらに、食事の回数が少なく、一度に大量に食べてしまうと、胃腸での消化が追いつかず、そのまま排泄されてしまうことも少なくありません。
野生時代の名残と母犬の習性
犬たちがまだ自然の中で暮らしていた頃の習性は、現代の愛犬たちにもしっかりと受け継がれています。
野生の環境下では、自分の排泄物をそのままにしておくと匂いで外敵に居場所を知らせてしまいます。
そのため、自分で糞を食べて痕跡を隠すという、生き残るための防衛本能を持っています。
また、子犬を育てる母犬は、寝床を外敵から守り、かつ清潔に保つために子犬の排泄物を舐めて片付ける習性もあります。
この母犬の行動を子犬が学習して真似してしまい、成長してからもそのまま習慣として残ってしまうケースも少なくありません。
特に多頭飼いの環境では、他の犬の排泄物を片付けようとする仲間思いの行動が食糞に繋がることもあります。
飼い主の気を引きたい気持ちと恐怖心
過去に愛犬がうんちを口にしたとき、「あっ! ダメー!」と大きな声を出して慌てて駆け寄ってしまった経験はないでしょうか。
この過剰な反応を見て「これをすると飼い主さんが構ってくれる」「喜んでもらえる」と勘違いしてしまうことがあります。
お留守番が多くて退屈しているときなど、自分への注目を一度集めたくて同じ行動を繰り返すケースも少なくありません。
一方で、過去にトイレを失敗したときに強く叱られたトラウマが原因になることもあります。
「うんちがあると怒られる」と深く思い込み、飼い主さんに見つかって叱られる恐怖から、慌てて証拠隠滅を図っている悲しいサインかもしれません。
どちらの場合も、飼い主さんとの関係性や過去の経験が大きく影響している心のSOSと言えます。
日常的なストレスや退屈と空腹
お留守番の時間が極端に長かったり、毎日の運動が足りていなかったりすると、愛犬には少しずつストレスが溜まっていきます。
何もすることがない退屈な時間の中で、ケージの中に放置された排泄物が唯一の気を紛らわせるおもちゃ代わりになってしまうことも。
最初はただ匂いを嗅いだり前足で転がしたりしていただけが、いつの間にか口に入れる癖へと変わってしまいます。
また、単純に一日のごはんの量が足りず、常にお腹を空かせている状態も原因のひとつとして考えられます。
満腹感を得られないことによる切実な行動である場合も多いため、年齢や体重の変化に合わせて日々の食事量を見直してあげることが大切です。
生活環境の変化による不安感から食糞に走るケースもあるため、愛犬を取り巻く環境全体をよく観察しましょう。
食糞による健康リスクは?
愛犬が 自身のうんちを食べてしまっても、すぐに命に関わるようなことはありません 。
しかし、衛生面での心配は残ります。
お口の周りが汚れてしまうだけでなく、口臭の原因にもなり、スキンシップの妨げになってしまうことも問題です。
さらに、他の犬の排泄物を食べてしまった場合は、より深刻なトラブルに発展する可能性があります。
寄生虫や細菌感染の可能性
他の犬の排泄物には、目に見えない寄生虫や悪玉菌が潜んでいる危険性があります。
お散歩中やドッグランなどで道端に落ちているうんちを口にしてしまうと、それらの病原体を直接体内に取り込んでしまうことになります。
その結果、激しい下痢や嘔吐を引き起こし、重篤な胃腸炎など体調を大きく崩してしまうケースも少なくありません。
また、たとえ自分の排泄物であっても、排泄から時間が経ったものは空気中の雑菌が付着し、細菌が繁殖しやすくなっています。
一度体外に出た老廃物を再び体内に戻すことは、内臓機能にも余計な負担をかけることになります。
愛犬の胃腸を守るためにも、やはり 食糞はできるだけ早くやめさせてあげるのが衛生面においても理想的な対応 です。
隠れた病気のサイン
これまで全くしなかったのに突然うんちを食べるようになった場合、愛犬の体の中で何らかの病気が進行している可能性もあります。
例えば、糖尿病やクッシング症候群といった内分泌系の病気にかかると、コントロールできないほどの異常な食欲を感じることがあります。
その満たされない強い空腹感から、普段は見向きもしない排泄物にまで手を出してしまうのです。
他にも、膵臓の働きが弱まることで消化酵素が十分に分泌されず、食べたものをうまく消化吸収できなくなる「膵外分泌不全」などの病気が隠れていることもあります。
寄生虫の感染によって栄養が奪われているケースも考えられるため、急な行動の変化には注意が必要です。
しつけや環境の問題と決めつけず、少しでも異変を感じたら早めに獣医師に相談して健康状態を確認してもらいましょう。
食糞をやめさせるための5つのステップ
習慣になってしまった食糞を一日で直すのは難しいため、焦らず少しずつ取り組むことが成功の秘訣です。
愛犬を頭ごなしに叱るのではなく、自然と「うんちは食べなくてもいいんだ」と思える環境を整えてあげましょう。
物理的に食べられない環境を作る
もっとも効果的で確実な方法は、愛犬の目の前から排泄物をいち早く消して、食べる隙を与えないこと。
うんちが出たことを確認したら、声をかけずに無言で素早く、かつ冷静に片付けることを徹底してください。
このとき、慌てたり大声を出したりすると「遊んでくれる」と勘違いさせてしまうので、目を合わせずに淡々と作業することがポイントです。
お留守番中でどうしてもすぐに片付けられない場合は、トイレトレーの網目を細かいものに変えたり、トイレとベッドの距離を物理的に離す工夫も効果的です。
口にできない状況を長期間作り続けることで、「うんちを食べる」という習慣や記憶そのものを少しずつ忘れさせてあげましょう。
習慣が途切れる期間が長ければ長いほど、食糞への執着は自然と薄れていくはずです。
フードの消化吸収率を見直して食生活を改善する
愛犬の体に合った、消化吸収の優れた良質なドッグフードへの切り替えを検討することも大切なアプローチです。
食べたものが胃腸でしっかり消化できるようになれば、排泄物に魅力的な食べ物の匂いが残りにくくなり、愛犬の興味を根本からそらすことができます。
お肉やお魚などの良質な動物性タンパク質をメインに使用したフードは、犬の消化器官への負担も少なく、健康的な体づくりにも直結します。
また、1日あたりの給与量が適切かどうか、パッケージの裏面を確認して現在の体重に合わせて再度計算してみることもおすすめです。
食事の回数を増やして1回あたりの量を減らすことで、消化効率を高める工夫も有効です。
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しつけで排泄物から意識をそらす
愛犬が排泄を終えた瞬間に、排泄物から飼い主さんの方へ一瞬で意識を向けさせるトレーニングを取り入れてみましょう。
うんちが終わったらすかさずオイデ と明るく楽しそうな声で呼びかけ、こちらに来たら美味しいおやつをあげて大げさなほど褒めてあげましょう。
これを毎日繰り返すことで、「うんちを食べるよりも、すぐに飼い主さんのところへ行った方がずっと良いことがある」と学習してくれます。
また、うんちに近づこうとした瞬間に 「マテやストップ」の合図 を出し、しっかりと我慢できたらご褒美をあげるのも効果的です。
「ダメ!」と厳しく叱るのではなく、「正しく我慢できたら褒める」というポジティブな成功体験 を重ねていくことが一番の近道です。
飼い主さんとのコミュニケーションそのものが、何よりのご褒美になるような関係性を築いていきましょう。
運動量やコミュニケーションを増やしてストレス解消
愛犬の心を満たしてあげることも、食糞という問題行動をやめさせる重要で本質的なステップになります。
毎日のお散歩の時間を少し延ばしてみたり、いつもと違う新しいコースを歩いてさまざまな匂いで好奇心を刺激してあげたりしてください。
室内で過ごす時間でも、ロープを使った引っ張りっこや、おやつを隠す知育おもちゃを使った遊びなど、一緒に過ごす時間を作ってあげることが大切です。
飼い主さんとの楽しい遊びの時間が増えれば、愛犬の心に溜まっていたストレスや日々の退屈は自然と消えていきます。
十分な運動で心地よく疲れることは、良質な睡眠にも繋がり、自律神経を整える効果も期待できます。
食糞の悩みと今日からできる優しいしつけ
愛犬の食糞と向き合う日々は、飼い主さんにとっても精神的に負担を感じやすく、時にはため息をつきたくなる時間かもしれません。
しかし、愛犬たちの行動には必ず理由があり、決して飼い主さんを困らせようとわざとやっているわけではないことを思い出してください。
叱って力ずくでやめさせるのではなく、「食べさせない環境作り」と「褒めるポジティブなしつけ」を徹底すること が、根本的な解決への一歩です。
消化吸収の良い食事を取り入れ、愛情たっぷりのコミュニケーションでストレスのない満たされた日々を積み上げましょう。
焦らず愛犬のペースに寄り添い、絆を深めながら、清潔で健やかな暮らしを少しずつ一緒に取り戻していってください。
- 2026.04.07












