子犬のお散歩はいつから? 早めの社会化とワクチン後の始め方

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生後まもない子犬を迎えると、すぐにでもお散歩に繰り出したい衝動に駆り立てられます。
ただ、子犬はまだまだ免疫力が弱く、外の世界には感染症などのリスクも。

今回は、お散歩デビューの時期の目安と、その前にはじめるべき準備についてご紹介します。

子犬がお散歩できるようになるのはワクチン接種から2週間程度から

子犬が安心してお外を歩けるようになる時期の目安は、ワクチン接種がすべて完了してから1〜2週間後
なぜこのタイミングかというと、ワクチンによって体の中に感染症への免疫がしっかりと作られるまでには少し時間がかかるからです。

ワクチンの効果が定着する前に外を歩くと、パルボウイルスなどの強力な感染症にかかるリスクがあります。
特に他の犬の排泄物や泥のついた靴などからウイルスが移るケースもあるため、早すぎる外出は避けたほうが安全です。

ワクチン接種スケジュールの目安

一般的な子犬のワクチン接種スケジュールは次のとおり。

生後6〜8週ごろに1回目の混合ワクチンを接種。
その後、3〜4週間間隔で2回目・3回目と続きます。
最終のワクチン接種が完了するのは生後14〜16週ごろが目安です。

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つまり、最後のワクチンからさらに1〜2週間待つと、お散歩デビューを迎えるのは生後4〜5か月頃になります。

ただし、ワクチンの種類や動物病院の方針によってスケジュールは多少異なる場合があります。
かかりつけの獣医師と相談しながら、最適なタイミングを見極めましょう。

お散歩デビュー前から重要な「社会化期」の経験

お散歩デビューがまだ先でも、外の世界を見せること自体はとても大事です。
子犬には「社会化期」と呼ばれる重要な時期があり、生後3〜14週頃にあたります。

この時期は、音やにおい、人や他の動物など、たくさんの刺激をポジティブに受け入れやすい時期です。
社会化期を過ぎてから初めて外の刺激を受けると、警戒心が強くなり、吠えたり怯えたりしやすくなってしまうこともあります。

いろいろと柔軟な社会化期にたくさんの刺激を受けてほしい、でもワクチンの定着にはまだ時間がかかる……。
そこでおすすめしたいのが、「抱っこ散歩」です。

抱っこ散歩で安全に社会化を始めよう

抱っこ散歩とは、文字通り「飼い主さんが子犬を抱っこして外を歩くこと」です。
地面に下ろさずとも、外の音やにおい、人の動きなどを感じることで、社会化の第一歩になります。

たとえば、次のような体験を少しずつ取り入れていくと良いでしょう。

  • 家の前で車の音や自転車の音を聞かせる
  • 近所の公園を抱っこで歩いて、風の匂いを感じさせる
  • 他の犬や人を遠くから見せて「外の世界は楽しい」と思わせてあげる

こうした積み重ねが、後々のお散歩デビューをスムーズにしてくれます。
社会化期をうまく過ごした犬は、人や他の犬への恐怖心が少なく、落ち着いた性格に育ちやすいといわれています。

ワクチン前に外へ出すリスク

ワクチン前に屋外、地面を歩かせてしまうと犬パルボウイルス感染症やジステンパーウイルス感染症など、感染症にかかる危険があります。
いずれも重症化しやすく、場合によっては命に関わることもある病気です。

公園やドッグラン、ペットショップの周辺など、ほかの犬が多く集まる場所にはウイルスが漂っている可能性もあります。
抱っこでの外出はOKでも、地面を歩かせるのはワクチン完了後まで控えるのが鉄則です。

室内でもできる「プレお散歩」トレーニング

外に出る準備として、室内でできる練習もあります。
たとえば、首輪やハーネス、リードをつける練習はいかがでしょうか?

最初はリードに違和感を感じて嫌がる子犬も少なくありません。
つけてすぐ歩かせようとするのではなく、リードをつけたままおやつをあげたり遊んだりして 「リード=楽しいこと」 と関連づけていくのがポイントです。

慣れてきたら家の中で短い距離を歩いてみましょう。
飼い主さんの横について歩く「ヒール(つけ)」の練習も、この段階から少しずつ始めると後々定着しやすくなります。

お散歩デビューの前にチェックしたいこと

ワクチンが終わって、いよいよ外に出られるようになったら次の点も確認しましょう。

首輪やハーネスのサイズ

成長期の子犬はあっという間に体が大きくなります。
首輪がきつくなっていないか、ゆるすぎて抜けてしまわないかこまめに確認しましょう。

お散歩コースの安全性

最初のうちは車の多い道や人通りの多い場所は避け、静かな住宅街や公園の周囲など、穏やかな環境を選びましょう。

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歩く時間帯と気温

暑い季節の場合は、アスファルトの熱が冷めた朝夕の時間帯がおすすめです。
夏場は熱中症にも注意してください。

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お散歩デビューのポイントは「楽しく少しずつ」

初めてのお散歩は、何もかもが新しい体験です。
最初から長い距離を歩こうとせず、5〜10分ほどの短い時間からスタートしましょう。

最初のうちは歩かずに立ち止まったり、座り込んだりするかもしれません。
そんな時は、無理に引っ張ったりせず、子犬が自分のペースで進めるように見守ってあげましょう。

もし途中で怖がってしまったら、少し抱っこして落ち着かせるのも有効です。
はじめのうちは「外は楽しい場所」と感じてもらうことが最優先です。

獣医師に相談しながら進めよう

お散歩デビューの時期はあくまで目安です。
ワクチンの種類や体調、飼育環境によって最適な時期は異なります。
たとえば、母犬の初乳で得た免疫(移行抗体)の強さによっても、ワクチンの効果が出るタイミングは違います。

そのため、必ずかかりつけの獣医師と相談しながらスケジュールを組みましょう。
「外に出ても大丈夫ですか?」と確認してからスタートすると安心です。

焦らず、楽しく、一歩ずつ

子犬とのお散歩は、飼い主さんにとっても特別な瞬間です。
しかし、健康と安全のためには時として段階を踏むことも重要。

ワクチンがすべて終わるまでは絶対に地面を歩かせず、抱っこや室内トレーニングで外の世界に慣らしてあげましょう。
社会化期を上手に過ごした子犬は、人にも犬にもフレンドリーな性格に育ちやすく、将来のお散歩も楽しいものになります。

そして、最初のお散歩は短時間でも構いません。
少しずつ外の世界を好きになっていく過程を、ぜひ温かく見守ってください。

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ペトラ編集部

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