子猫を迎えたら。ワクチンやること完全ガイド

走る毛玉じみた子猫の画像

子猫を迎えるのは、飼い主さんにとってかけがえのない体験です。
小さな体を大切に育てていくためには、迎えてすぐに始めるべき健康ケアがいくつかあります。

ここでは、日本で子猫を飼うときに必要になるワクチン、診察、予防ケアなどを一通りご紹介します。

どこまでが義務で、どこまでが任意なの? 」という疑問にもお答えしますので、ぜひ参考にしてみてください。

子猫に必要な健康ケア一覧(時期・内容・義務)

以下の表は、子猫を迎えたあとに必要になるケアを時系列でまとめたものです。

時期内容目的・補足
生後すぐ~2か月健康診断(初診)寄生虫の有無や全身状態をチェック。発育の確認も兼ねる。
生後6~8週1回目ワクチン(混合)移行抗体の減少に備えて接種。感染症予防が目的。
生後9~11週2回目ワクチン免疫をより確実にするためのブースター接種。
生後12~14週3回目ワクチン以降、年1回の追加接種で免疫を継続。
生後6週~ノミ・ダニ・虫下し対策スポット剤や駆虫薬で外部・内部寄生虫を防除。
生後6か月前後去勢・避妊手術発情防止や病気の予防、望まぬ繁殖を避ける。
生後2か月以降マイクロチップ装着一般飼い主は任意。ただし 装着後の登録は義務
年1回(1歳以降)健康診断病気の早期発見・予防のため。とくにシニア猫は年2回が望ましい。
必要に応じて血液検査・画像検査など慢性病のチェック、手術前検査、健康のベースライン把握など。

義務ではないけど必要?

上の表を見て「義務じゃないなら、やらなくてもいいの?」と思った方もいるかもしれません。

たしかに、 健康診断もワクチンも寄生虫対策もすべて法律上の義務ではありません
しかし、猫は人間よりもずっと早く年を取る生き物。
体の不調を隠すことも多く 気づいたときには病気が進行している ということも珍しくありません。

とくに子猫の時期は体力がなく、感染症が命にかかわることもあります。
そのため、 予防と早期発見がとても重要になるのです

ワクチンはいつ? 何の病気の予防?

日本の動物病院では、一般的に 3種または5種混合ワクチン が使われています。
子猫のスケジュールは以下のようになります。

  • 1回目
    • 生後6~8週
  • 2回目
    • その3~4週間後
  • 3回目
    • さらに3~4週間後
  • 以降
    • 年に1回の追加接種

3種混合で予防できる病気 は以下の通りです。

  • 猫ウイルス性鼻気管炎(くしゃみや目ヤニ)
  • 猫カリシウイルス感染症(口内炎や肺炎)
  • 猫汎白血球減少症(急激な下痢・嘔吐を引き起こす)

外に出る猫や多頭飼いの場合は、白血病ウイルスなどを含む 5種以上の接種 をすすめられることもあります。

健康診断は年1回が理想

子猫期を過ぎたあとは、 年に1回の健康診断 を受けるのが理想的です。

血液検査・尿検査・レントゲン などの検査を通して、腎臓病・糖尿病・肥満・腫瘍などの早期発見につながります。

特に 7歳を過ぎたら年2回の健康診断を推奨 する動物病院も少なくありません。
目には見えない体の中の変化にいち早く気づけるようにしましょう。

去勢・避妊手術は生後6か月前後が目安

繁殖を予定していない場合は、 避妊・去勢手術が強くすすめられています
手術によって発情ストレスやマーキングの問題が減るだけでなく、 乳腺腫瘍や子宮疾患、前立腺肥大などの予防にもなります

費用やリスクもあるため、かかりつけの動物病院とよく相談して決めましょう。

マイクロチップは義務ではないけれど…

2022年6月以降、日本ではペット販売時に マイクロチップ装着と登録が義務化 されました。
ただし、保護猫や譲渡猫には装着義務はありません。

とはいえ、迷子や災害時の対策として 装着しておくと身元確認が確実 になります。
マイクロチップを装着した場合は 飼い主情報の登録が義務 となりますので注意しましょう。

命を守るのは「予防」と「習慣」

猫を迎えたら、最初の数か月間がとても大切です。
体の小さな時期にこそ 適切なワクチン・健康診断・寄生虫予防 をしてあげることが、健康で長生きする土台になります。

法律で義務づけられていないことでも 猫にとって必要なケアはたくさんあります
「うちの子は大丈夫」と思わず、かかりつけの動物病院を持っておくと安心です。

大切なのは、命を迎えた責任をもって、日々のケアを積み重ねていくこと
予防をしっかりしてあげることこそ最高の愛情表現かもしれません。

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