猫にかつおぶしは危険? 尿石症リスクを抑える安全な与え方

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砂漠にルーツをもつ猫たちですから、「猫といえば魚」のイメージは創作の世界観であったり、比較的新しい食習慣のはず。
しかし、ここ日本ではかつおぶしに目を光らせる猫は珍しくありません。

今回は、愛猫にかつおぶしを与えるメリットと健康への影響、安全な与え方についてご紹介します。

記事の要点まとめ

Q. 猫にかつおぶしを与えるときの1日の適量と頻度はどれくらいですか?

ペット用かつおぶしを1日小さじ1杯程度、週2〜3回のご褒美として与えるのが目安です。

Q. 人間用とかつおぶしと猫用かつおぶしは何が違うのですか?

猫用は塩分とミネラルが調整され腎臓に配慮されていますが、人間用は塩分が多く猫には刺激が強いです。

Q. どのような猫にはかつおぶしを与える際に特に注意が必要ですか?

生後半年未満の幼猫や腎機能が落ちた高齢猫、持病や療法食の猫には獣医師に相談する必要があります。

猫にかつおぶしを与えるメリットと魅力

猫たちがかつおぶしに惹かれるのには、しっかりとした栄養学的な理由があります。
かつおぶしには良質なタンパク質が豊富に含まれており、肉食動物である猫にとって欠かせないエネルギー源。
しなやかな筋肉を維持し、日々の元気を支えるために、タンパク質は欠かせません。

さらに、かつおぶしには猫が体内で十分に作り出せない タウリン も豊富に含まれています。
タウリンは目の健康や心臓の正常な働きをサポートする必須のアミノ酸。
毎日の総合栄養食で補うことが基本ですが、かつおぶしからも貴重な栄養を取り入れることができます。

ただし、どんなに栄養価が高くても、あくまで基本の食事は総合栄養食。 主食の邪魔をしないよう上手に活用していくことが、愛猫の体を守る第一歩となります。

落ちた食欲を呼び覚ます香りの効果

かつおぶしの大きなメリットは、その芳醇な香りにあります。
猫は味覚よりも嗅覚で食べ物を美味しいかどうか判断する生き物。
強い旨味の香りを放つかつおぶしは、猫の食欲を強烈に刺激してくれます。

季節の変わり目や体調が優れないとき、いつもは喜んで食べるフードを残してしまうとき、ほんの少しかつおぶしをトッピングするだけで、見違えるように食べてくれることも珍しくありません。

ただし、かつおぶしをかけないとごはんを食べなくなってしまう「わがまま」には要注意。
食欲不振のサポートとして一時的に頼るのは効果的ですが、クセにならないようメリハリをつけて与えることを心がけましょう。

尿路結石に要注意! ストルバイト結石のリスク

メリットがある一方で、かつおぶしの与えすぎにはいくつか注意点も潜んでいます。
もっとも注意したいのが、 ミネラルの過剰摂取による尿路結石のリスク です。

かつおぶしにはマグネシウムやリンといったミネラル分が非常に多く含まれています。
ミネラルを摂りすぎると、愛猫の尿のバランスが崩れ、結晶化を引き起こす一因となります。
これが進行すると ストルバイト結石という痛みを伴う病気 を引き起こし、排尿が困難になってしまうことも。

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一度結石ができてしまうと、治療には専用の食事療法や痛みを伴う処置が必要になり、愛猫に辛い思いをさせてしまいます。
こうした病気を未然に防ぐためには、 ミネラルを多く含むおやつの量を厳密にコントロールすることが何より重要 です。

人間用の塩分が引き起こす腎臓への深刻な負担

かつおぶしを与えるうえで、ミネラルと並んで警戒すべきなのが塩分。
私たちが普段食べている市販のかつおぶしは、人が美味しく感じるように作られており、体の小さな猫たちにとっては塩分過多。

猫の体は汗をかいて塩分を排出する機能が乏しいため、摂取した塩分はそのまま腎臓に大きな負担をかけてしまいます。
若い頃は何事もなく過ごしていても、将来的に慢性腎臓病を引き起こすリスクが高まってしまうこともあります。

愛猫と1日でも長く一緒に過ごすためにも、塩分の過剰摂取には常に気を配ってあげてください。

栄養バランスの崩れとイエローファットの懸念

かつおぶしのリスクとしてもう一つ知っておきたいのが、 イエローファット(黄色脂肪症)という病気
かつおぶしなど青魚を原料とする食べ物には、不飽和脂肪酸が多く含まれています。
適量であれば体に良い成分ですが、過剰に摂取すると体内のビタミンEが大量に消費されてしまいます。

ビタミンEが不足すると、皮下脂肪が酸化して炎症を起こし、しこりのようなものができてしまう原因に。
これがイエローファットの正体であり、触られるのを痛がったり、歩き方が不自然になったりといった症状が現れます。

もちろん極端に与えすぎてしまった場合の話ですが、特定の食材に偏らない食事管理を徹底することが大切です。

人間用とペット用のかつおぶしの決定的な違い

スーパーの乾物コーナーに並ぶ人間用のかつおぶしと、ペットショップで売られている猫用のかつおぶし。
見た目や香りはよく似ていますが、製造工程に決定的な違いが存在します。

ペット用のかつおぶしは、猫のデリケートな腎臓や尿路系に配慮して作られているため、塩分を極力減らしミネラル分も適切に調整されているのが特徴。
パッケージの裏面を見ると、猫の健康を考えた成分表示になっていることがわかるはず。

一方で、人間用のかつおぶしは風味を豊かにするための工夫がなされており、猫にとっては明らかに刺激が強すぎます。
猫たちに安心して食べてもらうためには、「猫用」と明記されている商品を選ぶことが基本。
安全な選択をしてあげることが、飼い主にできるもっとも確かな愛情表現です。

愛猫の健康を守る1日の適量と頻度のルール

ペット用のかつおぶしを選んだとしても、愛猫の健康を損なわないための適量は1日あたり小さじ1杯程度が目安。
少なすぎるように感じるかもしれませんが、体の小さな猫にとっては十分に満足感を得られるボリュームです。

また、頻度についても「毎日必ず与える」という習慣は避けた方良いでしょう。
週に2〜3回程度、爪切りやブラッシングを頑張ったときの特別なご褒美として活用してみてください。
愛猫にとってもかつおぶしが「特別なもの」になり、ご褒美としても効果がぐっと高まります。

水分補給に役立つ出汁の美味しい活用術

かつおぶしの香りを活かした活用法に「出汁(煮出し汁)」を水分補給に使う方法があります。

作り方はとっても簡単。
ペット用のかつおぶしを少量のお湯で数分間煮出し、人肌程度に冷ますだけ。
この香り豊かな出汁をフードにかけたり、飲み水にほんの少し混ぜてあげると、出汁の風味に誘われて驚くほどしっかりと水分を摂ってくれるようになります。

かつおぶしそのままを食べさせるよりもミネラルの摂取量を抑えられ、腎臓や尿路系の健康維持に欠かせない水分もしっかり補える一石二鳥のアイデアです。

幼猫や高齢猫に与える際の重要な注意点

ライフステージによっては、かつおぶしを与えること自体を慎重に考える必要があります。
とくに生後半年未満の幼猫は、まだ消化器官が十分に発達していません。
この時期にミネラルや脂肪分が多いものを与えると、下痢や消化不良を起こしてしまう危険があります。

また、 シニア期に入った高齢猫にも細心の注意が必要 です。
高齢になると腎臓の働きが自然と弱まってくるため、わずかな塩分やミネラルでも体に大きなダメージを与えかねません。

持病がある場合や療法食を食べている愛猫には、いかなる理由があっても自己判断では与えず、必ずかかりつけの獣医師に相談しましょう。

安全なかつおぶし習慣と愛猫の健やかな毎日

かつおぶしは、猫にとってたまらない魅力を持つ特別な食べ物。
香ばしい匂いを感じたときの愛らしい表情は、飼い主にとっても幸せな瞬間です。

しかし、その美味しさゆえに、与えすぎてしまうと健康を損なう原因にもなりかねません。 「喜んでくれるから」という気持ちが、時には猫の負担になってしまうこともある ということを、ぜひ心の片隅に留めておいてください。

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