子犬を迎えたら。ワクチンやること完全ガイド

トイプードルの子犬の画像

まるでぬいぐるみのような愛くるしい子犬。
家族の一員として迎えるその瞬間から、健康を守るための準備が始まります。

日本で子犬を飼うときには、 ワクチン接種・寄生虫対策・健康診断・登録手続きなど多くのケアが必要 になります。

この記事では「何を、いつ、どこまでやればいいのか」をわかりやすく解説します。

子犬に必要な健康ケア一覧

時期内容目的・補足
生後すぐ~2か月健康診断(初診)体調チェックや寄生虫の確認。環境に慣れたら早めに動物病院へ。
生後6~8週1回目ワクチン(混合)母犬の抗体が切れる時期に合わせて初回接種。感染症から守る。
生後9~11週2回目ワクチン免疫を安定させるブースター接種。
生後12~14週3回目ワクチン年1回の追加接種で免疫を維持。
生後6週~ノミ・ダニ・虫下し対策外部・内部寄生虫の予防・駆除。月1回の予防薬が主流。
生後6か月前後去勢・避妊手術発情やマーキング防止、病気予防にも有効。
生後2か月以降マイクロチップ装着販売された犬には義務化。装着後の登録も飼い主の義務
生後91日以内狂犬病ワクチン接種日本の 法律で義務づけられている唯一のワクチン 。接種後、自治体へ届け出。
年1回(1歳以降)健康診断病気の早期発見に役立つ。シニア犬は年2回が理想。

義務化されているのは「マイクロチップ」と「狂犬病ワクチン」

子犬の健康ケアのうち、法的に義務があるのはつぎの2点です。

マイクロチップの装着と登録(販売犬の場合)

2022年6月以降、ブリーダーやペットショップで販売される犬にはマイクロチップの装着と登録が義務化されました。 譲渡犬や保護犬には装着義務はありませんが 装着した場合は登録が必要 です。

狂犬病予防接種(生後91日を過ぎた犬)

日本では、 生後91日以降のすべての犬に年1回の狂犬病予防注射が法律で義務付けられています 。 接種後は市区町村に届け出を行い、鑑札と注射済票の交付を受ける必要があります。

ワクチン接種で防げる病気は?

混合ワクチンは任意接種ですが、重篤な病気を予防するために非常に重要です。 代表的な「 5種混合ワクチン 」で防げる病気には次のようなものがあります。

  • 犬ジステンパーウイルス感染症
  • 犬パルボウイルス感染症
  • 犬アデノウイルス感染症(1型・2型)
  • 犬パラインフルエンザウイルス感染症

また、生活環境に応じて 6種・8種・10種なども選択肢になります 。 たとえば山や川などに行く子は、 レプトスピラ感染症 を含むワクチンがすすめられます。

健康診断は年1回が基本、シニア期は年2回

子犬期の健診は主に 発育状態の確認やワクチン前チェック が目的ですが、成犬になると病気の早期発見のために 年1回の定期健診 が大切になります。

7歳を過ぎたら年2回の健診 を行うことで、腎臓病・心疾患・腫瘍などに早く気づくことができます。 犬は言葉を話せないため「元気そうに見えても安心しない」という視点が重要です。

犬は多少の痛みやだるさを隠してしまうことがあるため、 定期的なプロのチェックが安心材料になります

去勢・避妊手術のメリットは?

望まない妊娠を防ぐだけでなく、以下のような 健康上のメリット もあります。

  • オス
    • 前立腺肥大、会陰ヘルニア、精巣腫瘍などの予防
  • メス
    • 子宮蓄膿症、乳腺腫瘍のリスク減(とくに初回発情前に手術すると有効)

ただし、 手術の適齢期やリスクは犬種によって異なる ため、獣医師とよく相談して決めましょう。

寄生虫・フィラリア予防も忘れずに

犬に特有の重大な病気が「フィラリア症(犬糸状虫症)」です。 これは蚊によって感染し、 放っておくと心臓や肺に寄生して命に関わる病気 です。

予防薬は 毎月1回の飲み薬・塗り薬・注射 などがあり、生後2か月ごろからスタートできます。

合わせて、ノミ・マダニの予防も年中通して行うのが理想です。 最近では オールインワンタイプの予防薬 も多く出回っています。

義務だけでなく「守るべき命」のために

日本では、狂犬病予防とマイクロチップ登録に関しては法律で義務づけられていますが、それ以外のケアも含めて 総合的に考えることが大切 です。

子犬は体が小さく、 ほんの少しの不調が命に関わることもあります 。 だからこそ、 予防医療と定期チェックの積み重ねこそ最良の愛情表現です

「命を迎えた責任を、習慣という形で果たす」ことが飼い主としての第一歩。 これからの長い犬生を、安心して一緒に過ごせるように準備を整えていきましょう

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