猫の熱中症・脱水を防ぐには? 夏を乗り切るための6つの対策と異変サイン

夏が近づくと、心配になるのが愛猫の体調管理。
猫はもともと砂漠地帯の出身と言われる動物で、暑さには強そうなイメージを持たれがちですが、実は熱中症や脱水症状のリスクがとても高い生き物です。
特に、留守番が多い家庭や、高齢・長毛種の猫にとっては、夏の暑さが命に関わるリスクになることもあります。
今回は、猫の夏バテ・熱中症・脱水症状を防ぐための6つの対策と、注意したい異変のサインについてご紹介します。
1. 水分補給をサポートしよう
猫は基本的に喉の乾きを自覚しにくい体質とされています。
だからといって放っておくと、脱水や尿路トラブル、腎機能の低下などを招きかねません。
飲みやすい環境を整える
水飲み場は複数の場所に分散して設置しましょう。
猫がよく過ごす場所や通り道に置いておくことで、ふとしたタイミングで飲んでくれる確率が高くなります。
また、近年では猫に人気の「ウォーターファウンテン(循環式給水器)」もおすすめです。
水が流れていると興味をひきやすく、鮮度も保たれやすいのがメリットです。
食事からの水分補給も忘れずに
なかなか水を飲みたがらない子には、ウェットフードやスープ状のおやつを活用するのもひとつの方法です。
ドライフードだけだと水分摂取が不足しがちなので食事全体のバランスを見直してみましょう。
2. 室温と湿度を最適にキープ
室内は安全だと思っていても、夏の締め切った部屋は想像以上に高温・多湿になります。
気温が30度を超える日が続くと猫の体にも大きな負担がかかります。
エアコンは夏の必需品
室温の目安は25〜28度程度。さらに湿度は50〜60%程度が理想です。
エアコンやサーキュレーターも活用しながら空気の流れを作るようにしましょう。
また、短時間の外出でも、必ずエアコンをつけたままにするようにしましょう。
環境省の熱中症警戒アラートなども参考にしてみてください。
https://www.wbgt.env.go.jp/https://www.wbgt.env.go.jp/
屋外飼育は高リスク
夏場に外で飼育されている猫は、直射日光や熱せられたアスファルトの影響で体温が急上昇します。 屋外飼育は大きなリスクを伴う行為であり、速やかな室内飼いへの移行が求められます。
3. 直射日光から守る工夫を
猫たちは窓辺で日向ぼっこをするのが大好きですが、夏場は命取りになる可能性もあります。
窓辺はときに40度を超えることもあり、熱中症の大きな原因になります。
遮光・断熱アイテムを活用する
遮光カーテンやすだれ、断熱フィルムを活用して、直射日光を抑えましょう。
特に東向き・南向きの窓は朝〜昼にかけて強い日差しが入るため注意が必要です。
ひんやりマットや保冷剤を入れたタオルなどを猫の寝床に設置して、窓辺以外に快適な空間を用意してあげることも効果的です。
4. 長毛種は日頃のブラッシングを念入りに
長毛種の猫は被毛の量が多く、夏場は熱がこもりやすくなります。
そのため、定期的なブラッシングで余分な毛を整えてあげることも重要。
場合によっては軽いサマーカットもひとつの手ですが、刈りすぎには注意が必要です。
被毛は紫外線や外気から皮膚を守る大切な役割があり、全身ツルツルにしてしまうと逆にダメージを受けることもあります。
https://petra.jp/72https://petra.jp/72
まずはしっかりとしたブラッシングで被毛を整えてあげながら、トリマーや獣医師に相談すると安心です。
5. 危険サインを見逃さない
猫は体調不良を隠す傾向があるため、熱中症の症状にいち早く気づくことが非常に重要です。
つぎのような症状が見られたらすぐに対処が必要です。
- 呼吸が荒く、ハァハァと口呼吸をしている
- ぐったりして動かない
- よだれを垂らす
- 食欲・水分摂取が明らかに減っている
- 歯ぐきや舌が白っぽく乾燥している
- 嘔吐や下痢を伴う
このような症状が見られたら、体を冷やしつつ、すぐに動物病院に連絡してください。
移動の際もタオルでくるんだ保冷剤を首元や足の付け根に当てて体温の上昇を防ぎましょう。
6. 留守番中の備えも万全に
日中に家を空ける時間がある場合は、「見守り体制」をしっかり整えておくことが大切です。
ペットカメラで安心を
最近は、ペット用の見守りカメラを設置する家庭が増えています。
スマートフォンからリアルタイムで愛猫の様子を確認できるため、万が一の異変にもすぐに気づくことができます。
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中には声をかけたり、自動給餌や温度計測ができる高性能な商品も登場しています。
雷や停電でエアコンが止まってしまった場合にも、早めに異変に気づけるのが大きなメリットです。
「気づき」と「準備」で愛猫の命を守ろう
高温多湿な日本の猛暑は、ごく短時間の油断が命の危機に直結してしまうことも少なくありません。
すべてを完璧にするのは難しくても、小さな工夫や意識の積み重ねが重要です。
- 水を飲みやすく
- 温度と湿度を快適に
- 暑さがこもらないよう被毛を整えて
- そして、様子の変化にすぐ気づけるように
これだけで最悪の事態は避けられます。
この夏も大切な家族である愛猫たちと、涼しく元気に乗り越えていきましょう。
- 2025.07.01
- 2025.06.30