猫にサマーカットってあり？ 向き不向きとリスク解説

暑い季節になると、犬たちが短く毛を刈ってもらう「サマーカット」をよく見かけます。
そして近年では、稀ではあるものの猫のサマーカットというものもあるようです。

今回は、 猫におけるトリミングやサマーカットの必要性、向き・不向き、そして注意点 についてご紹介します。

猫にもトリミングはあり？

猫も犬と同じように、状況に応じてトリミングを行うこと はあります。
特に長毛種の猫では、毛玉やもつれを防ぐために部分的なカットや毛玉取りをすることは大切です。

たとえば、ペルシャやメインクーン、ラグドールなどは毛量が極めて多いため、放っておくと 毛玉が皮膚を引っ張ってしまい痛みを引き起こす 問題があります。

また、高齢猫や肥満傾向の猫は自力でグルーミングが難しくなるため、 お尻周りやお腹周りの部分カットで衛生管理を助ける こともあります。

ただし、健康な短毛種の猫の場合、基本的に自分で毛づくろいができるためトリミングの必要性は低いです。

それでも、 換毛期の抜け毛対策 や、汚れ落とし目的で軽いケアをお願いするケースも見られます。

この時注意したいのは、 猫は犬よりも環境変化に敏感で知らない場所や人にストレスを感じやすい こと。
無理なトリミングは控え、必要なら 猫に慣れたトリマーさんにお願いすること をおすすめします。

猫にサマーカットをするリスク

犬では一般的なサマーカットですが、猫に行う場合は注意が必要 です。

猫の被毛はアンダーコートとオーバーコートがバランスを取りながら、 体温調節や紫外線カット、皮膚の保護 などを行っています。
これを短く刈り込みすぎると皮膚へのダメージが大きくなり、 毛が生えそろわない、あるいは二度と生えてこないというリスク があります。

特に高齢猫や体力が落ちている猫では、 一度被毛を失うと再生できない ケースも報告されています。

また、 サマーカットによって皮膚が露出すると直射日光やエアコンの冷風のダメージ を直接受けやすくなります。
その結果、皮膚炎や体調不良につながることもあるため 安易なサマーカットは禁物 です。

暑さ対策をしたい場合は、まずは こまめなブラッシングで抜け毛を取り除き、通気性を確保する ことが重要です。
どうしてもカットが必要なときは 必要最低限の部分カット にとどめましょう。

サマーカットできる猫・できない猫

猫種によってもサマーカットの向き・不向き があります。

サマーカットに比較的向いている猫 は、長毛種の中でも毛量が非常に多く、毛玉になりやすいタイプ。
具体的には、 ペルシャ、メインクーン、ラグドール、ノルウェージャンフォレストキャット などが挙げられます。

これらの猫たちに日本の暑い夏は過酷なため、 多少毛量を減らすことで快適に過ごせるようになる可能性 があります。
ただし、 丸刈りは避け軽くすく程度 にとどめてください。

逆に、サマーカットが向かない猫種は、 アメリカンショートヘア、ロシアンブルー、シンガプーラ、オリエンタルショートヘア など、短毛で皮膚がデリケートな猫たち。
これらの猫は、毛を刈ることで皮膚疾患や体温調節障害のリスクが高まるため、基本的にサマーカットは推奨されません。

猫のサマーカットは慎重に

猫にトリミングやサマーカットをするかどうかは、 猫種、体調、毛質、年齢などに応じて慎重に判断する必要 があります。
必要だからといって安易に丸刈りにするのではなく、 その子に合った最適なケア方法 を選びましょう。

特に 夏場はブラッシングでの抜け毛ケア を基本に、どうしても必要な場合だけ部分的なカットを行うのが理想です。
大切な猫の健康を守るためにも、 専門家に相談しながらケアを進めていきましょう 。