中国語の犬種名が面白い! 漢字の意味・発音・由来まとめ

漢字を学んだ日本人であれば、中国語でも雰囲気で読める……とはさすがにいきませんが、おおよそのニュアンスが掴めるのも確か。
では、慣れ親しんだ「犬種名」であれば、どの程度想像できるでしょう。
意外と難しいのが、中国の犬種名は音訳(発音を漢字に当てはめる方法)と意訳(意味をそのまま表す方法) の両方が混在するところです。
それではさっそく、ときにユーモラス、ときに詩的な奥深い中国語の犬種名を見てきましょう。
德国牧羊犬(Déguó mùyáng quǎn / ドゥグオ ムーヤン チュアン)
意訳するとそのまま「ドイツの牧羊犬」。
いうまでもなくジャーマン・シェパードです。
柯基犬(Kējī quǎn / クァジー チュアン)
字面としては「基の犬」を意味するこの名前は、「コーギー(ウェルシュ・コーギー・ペンブローク)」。
コミカルな姿からは想像できないシンプルなスライリッシュさが逆にユーモラスです。
博美犬(Bóměi quǎn / ボーメイ チュアン)
音訳でありながら 「学識豊かで美しい犬」とも意訳できる名表記は「ポメラニアン」。
愛らしいポメの命名としてこの上ない表現です。
马尔济斯犬(Mǎ’ěr jìsī quǎn / マーアル ジースー チュアン)
一文字目に「馬」が入ってくるこの命名は、馬とは似ても似つかない「マルチーズ」。
こちらも音訳で作られていますが、字面だけをみるとハウンド系の犬種をイメージしてしまいそうです。
灵缇(Língtí / リンティー)
こちらは意訳で「敏捷で細長い犬」。そう、グレイハウンドです。
「リンティー」の音だけでみると愛らしさがフォーカスされているようで、グレイハウンド以上に親しみが湧きますね。
比格犬(Bǐgé quǎn / ビーグァ チュアン)
こちらは「ビーグル」の音訳ですが、小学生でも書ける漢字で構成されています。
ビーグルの親しみやすさからすると「格を比べる」という表記はコミカルですね。
边境牧羊犬(Biānjìng mùyáng quǎn / ビエンジン ムーヤン チュアン)
読んで字のごとく「国境(ボーダー)の牧羊犬」、ボーダー・コリー。
英名ではやや薄れてしまった、イギリスとスコットランドの国境地帯で活躍した歴史が呼び覚まされるようです。
松狮犬(Sōngshī quǎn / ソンシー チュアン)
時には「松」のようにトゲトゲ、時には「獅子」のようにフサフサ、中国が誇る伝統犬種「チャウチャウ」を意訳した命名。
丸くもっさりとした体型とライオンのたてがみのような毛並みを的確に捉えた表現です。
大丹犬(Dàdān quǎn / ダーダン チュアン)
意訳で「大きなデンマークの犬」、グレート・デーン。
音としては 「デーン」もなかなかのものですが、「ダーダン」もしっかりハマりますね。
杜宾犬(Dùbīn quǎn / ドゥービン チュアン)
こちらは音訳による命名ですが、「杜宾」は日本語だと「賓客をもてなす杜」のようなイメージだそう。
どこか高貴なドーベルマンにふさわしい命名です。
腊肠犬(Làcháng quǎn / ラーチャン チュアン)
特に愉快なのがこの「腊肠犬」。
意訳で「ソーセージ犬」。そう、ダックスフントです。
長い胴と短い足を端的に捉えていて、いかにもユーモラスです。
西施犬(Xīshī quǎn / シーシー チュアン)
中国古代四大美女のひとり「西施」の名を冠するこの命名。
シーズーのどこか古風な出で立ちと、愛らしくも高貴な印象を歴史上の人物名で表現しています。
中国語表記から見える犬種の魅力
中国語の犬種表記は直接的な意訳が多いですが、その中でも音を拾っていたり、独自の比喩が用いられていたりと個性的。
英名をそのままカナ表記に落とし込める日本語にはないユーモラスや詩的な響きがあります。
愛犬家の皆さんも、ぜひお気に入りの犬種の中国語表記をチェックして、その音や意味に思いを馳せてください。
- 2025.10.02