猫が頭突きをしてくる? 愛情表現や安心のサインを解説

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猫と暮らしていると、ふと不思議な仕草を見せることがあります。
そのひとつが「頭突き」。
愛猫が飼い主に向かってゴツンと頭を押しつけてきたり、家具や壁に軽く頭を当てたりする様子を見て、思わず首をかしげたことはありませんか?

一見すると攻撃のようにも見えますが、実はそこには猫ならではの深い意味があります。
今回は、猫の頭突きについて掘り下げてご紹介します。

飼い主に頭突きをする理由は「愛情表現」

愛猫が飼い主に頭を押しつけてくる行動は、「ヘッドバンティング」や「ヘッドバット」と呼ばれています。
この行動の意味は大きく分けて3つ。

ひとつ目は「フェロモンによるマーキング」です。
猫の額や頬にはフェロモンを分泌する腺があり、頭を押し当てることで相手に自分の匂いをつけています。

その意味とは「この人は安心できる仲間」というサイン。
つまり、飼い主に頭突きをするのは愛情表現のひとつです。

ふたつ目は「信頼の証」です。
猫は警戒心の強い動物なので、信頼していない相手に自ら頭を差し出すことはありません。
頭突きをするのは、「安心している」「好き」と伝えていると考えていいでしょう。
人間にとってのハグや握手のようなものといえるかもしれません。

そして、三つ目は「甘えや要求」です。
食事の前や撫でてほしいときに頭突きをしてくるケースはよくあります。
「もっとかまって」というサインとして使われることも多いです。

まとめると、猫が飼い主に頭突きをするのは愛情と信頼を示しつつ、自分の存在を感じてほしいという思いの現れといえるでしょう。

家具や壁への頭突き愛情?

頭突きが愛情表現といわれ安心したのもつかの間、そこには家具や壁に頭突きをする愛猫の姿。
この場合、単に愛情表現というよりは「マーキング行動」 です。

猫にとって自分の匂いは安心の基盤。
家具や壁に自分のフェロモンを残すことで「ここは自分の縄張り」「安心できる場所」と確認しているのです。
これは野生時代の習性が残っているものでもあり、室内飼いの猫でもごく自然に行う行動です。

また、家具や壁への頭突きは、気分を落ち着けたいときや環境に慣れるためにも行われます。
引っ越し直後や模様替えのあとに頭突きが増えるのはそのためです。
匂いによって環境を「自分の場所」と再認識して安心しようとしての行動です。

ただし、注意が必要なケースもあります。
強く何度も壁に頭をぶつけるような場合や、歩き方が不安定、目や鼻の異常を伴っている場合 、話は別です。
この場合の症状は神経疾患や体調不良のサインであることもあるため、獣医師に相談することが望ましいでしょう。

頭突きをされたことのない飼い主さんも大丈夫

ここまで読むと「うちの猫はまったく頭突きをしないけど大丈夫?」と不安になる方もいるかもしれません。
結論からいえば、まったく問題はありません。

猫の愛情表現はとても多様で、頭突きはそのひとつに過ぎません。
頭突きをしない猫でも、喉をゴロゴロ鳴らしたり、お腹を見せて寝転んだり、しっぽを立てて近づいてきたり、自分に合ったさまざまな方法で愛情や信頼を示しているはずです。

また、性格の違いや子猫時代の経験も影響します。
頭突きが盛んな人懐っこい性格の猫もいれば、スキンシップの経験が少なくシャイな猫もいます。
それぞれの性格を「その子の個性」と受け止めてあげるのが一番です。

大切なのは、頭突きをするかどうかではなく、猫が安心して過ごせているかどうか
思わぬ形で愛情を伝えてくれている場合も多いので、飼い主さんはそのサインを見逃さないようにしましょう。

まとめ

猫の頭突きには、多くの場合、愛情や信頼、マーキング、甘えといった前向きな意味が込められています。
強く繰り返し壁に打ちつける場合などは病気の可能性もあるため注意が必要ですが、普段の軽い頭突きならば心配いりません。

そして、頭突きを全くしない猫もいますが、それは異常ではなく単なる個性。
他の方法でしっかりと愛情を伝えてくれているので安心してください。

猫との暮らしにおいて、こうした小さな仕草の意味を知ることは、お互いの信頼関係をより深めるために大切なことです。
ささやかな頭突きに愛情を見い出せば、きっと絆はもっと強くなるでしょう。

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ペトラ編集部

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