ライカだけじゃない! ロシアの宇宙犬たちの物語

犬と人の画像

宇宙開発といえば、人類初の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンやアポロ計画の英雄たちを思い浮かべるかもしれません。

しかし、それよりも遥か昔、人間より先に未知の宇宙へ旅立った小さな命がありました。
彼らの存在がなければ、人類の宇宙進出はもっと遅れていたかもしれません。

今回は、ロシアの宇宙開発で活躍した犬たちの物語をご紹介します。

最初に宇宙へ飛び立った犬、デジクとツィガン

1951年、R-1Vロケットに乗って打ち上げられた2匹の雑種犬、デジクとツィガン。
彼女たちは高度約110kmに到達し、 無重力を経験した後、しかも無事に地球へ帰還 しました。

これは哺乳類が宇宙環境に耐えうることを示す非常に重要な成果でした。

その後、デジクは別のミッションで命を落としてしまいますが ツィガンは研究者に引き取られ、穏やかな余生を送った と伝えられています。

最初に地球を周回した犬、ライカ

1957年、スプートニク2号に乗って地球を周回したライカ。
彼女は 世界で初めて軌道飛行を行った動物 となりました。

しかし、当時の技術では帰還手段がなく、ライカは宇宙船の中で命を落とします。
後の分析で ライカは打ち上げから数時間後には亡くなっていた という説もありますが、いずれにせよ ライカの犠牲から得られたデータは、その後の有人飛行に不可欠なものだった と言われています。

生きて帰ったベルカとストレルカ

ライカの悲劇から3年後の1960年、ベルカとストレルカが乗ったスプートニク5号は、地球を18周し無事に帰還します。
このニュースは世界中に希望を与え「次はついに人間も」と期待を高めました。

余談ですが、その後ストレルカの子犬がケネディ大統領の娘に贈られたという冷戦時代らしからぬほっこりエピソードも残されています。

ついに宇宙に22日間滞在! ヴェテロクとウゴリョーク

1966年、コスモス110号で宇宙へ旅立った2匹の犬、 ヴェテロクとウゴリョークはなんと22日間もの長期宇宙滞在を経験しました
この記録を人間が破るのは、それからさらに8年後のスカイラブ4号ミッション。

長期滞在による健康への影響を調べるための重要なミッション でした。

ガガーリンの前に飛んだ、名もなき英雄たち

ガガーリンが宇宙に飛び立つ前にも、数匹の犬が最終テストに参加しています。

チェルヌシュカやズビョズダチカは、生命維持装置や帰還装置の機能を確認する重要な役目を担い 有人飛行の道を切り開きました

彼女たちの飛行が、ガガーリンの歴史的なミッションの最終確認となったのです

なぜ犬が選ばれたのか?

宇宙開発の第一歩に犬が選ばれた理由として、犬は人間との信頼関係を築きやすく 狭い環境での耐性も高い ことがあります。
特にロシアの路上で育った雑種犬は丈夫で遺伝的にも多様性があり、研究対象として最適でした。

また、排泄の処理がしやすく宇宙服との相性も良かったことから、多くはメスの犬が選ばれました。

宇宙を切り開いた勇敢な犬たち

帰還できた犬、帰還できなかった犬。
どちらもその小さな身体で 人類の夢を背負って宇宙に飛び立ちました

彼らがいなければ、私たちはいま、宇宙に手を伸ばすことすらできなかったでしょう。

彼らの静かな貢献を私たちはずっと語り継いでいくべきでしょう。

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