デンマーク・スウェーデン・ファームドッグとは? 2025年AKC認定の新犬種

デンマーク・スウェーデン・ファームドッグの画像

2025年、 アメリカン・ケネル・クラブ(AKC)に新たな犬種が加わりました
その名も「デンマーク・スウェーデン・ファームドッグ(Danish–Swedish Farmdog)」。

日本ではあまり馴染みのないこの名前ですが、実は北欧では昔から親しまれてきた歴史ある犬種です。

今回は、この新たに公認された犬種の魅力や特徴、歴史背景などを分かりやすくご紹介していきます。

AKCが認定した202番目の新犬種

アメリカン・ケネル・クラブ(AKC)は、純血犬種の保存と普及を担うアメリカの代表的な団体です。
毎年新たな犬種が登録されるわけではなく、厳しい審査を経て慎重に新犬種の認定が行われます

そんな中で、2025年1月に「 デンマーク・スウェーデン・ファームドッグ 」がAKCの202番目の犬種として正式登録されました。
この登録は、 2024年1月に認定された「ランカシャー・ヒーラー」以来、およそ1年ぶり となる出来事です。

この登録により デンマーク・スウェーデン・ファームドッグは「ワーキング・グループ(作業犬グループ)」の競技にも出場可能 となり、ドッグショーにおいて他の有名犬種とトップを目指すことができるようになりました。

北欧の農場犬「デンマーク・スウェーデン・ファームドッグ」

名前だけ聞くと少し長くて覚えにくそうですが、 実はとても親しみやすい性格とサイズ感を持つ犬種 です。

体格と外見

体高はおよそ30〜39cmほど。
体重もおよそ5.5〜7kgと、小型犬に分類されます。

見た目はコンパクトで筋肉質。
短毛でつやのある被毛は 主に白地で、部分的に茶色や黒のパッチ模様 が入ります。
尾は個体によって「長尾」「半ボブテイル」「ボブテイル(短尾)」などバリエーションがあり、ここも魅力のひとつです。

性格と気質

性格は非常に明るく、人懐っこいタイプ。
家族に対してとても 愛情深く、エネルギッシュで好奇心旺盛

そのため、飼い主とのコミュニケーションや遊びをとても大切にします。
知らない人や他の犬に対しても比較的フレンドリーで、 子どもや他のペットとも仲良くできる傾向があります

一方で、「ファームドッグ=農場犬」という名前が示すとおり、元々は 仕事が大好きな犬種
動くこと、働くことにやりがいを感じるタイプなので、日常的に運動や知的な刺激を与えてあげることがとても大切です。

絶滅の危機にあった長い歴史

デンマーク・スウェーデン・ファームドッグは、決して「新しい犬種」というわけではありません。
むしろ、数百年にわたりスカンジナビア地方で愛されてきた伝統的な犬種 です。

元々は「デンマーク・ピンシャー」や「スカニアン・テリア」とも呼ばれ、デンマークとスウェーデンの南部に位置するスコーネ地方で ネズミ捕り・番犬・狩猟補助・牧羊犬など多用途の働き を担っていました。

しかし19世紀後半、産業化によって農場の形態が変わるとその役割も次第に失われていき、 一時期は絶滅寸前まで個体数が減少 しました。

それを救ったのが、 デンマークとスウェーデンのケネルクラブによる共同プロジェクト
1980年代に本格的な保存活動が始まり、1987年には両国で正式な犬種として登録。
1989年には世界的なドッグショーに登場し、その後はアメリカをはじめ、世界各地で注目される存在となっていきました。

日本語では「ダンスク・スヴェンスク・ゴールフンド」?

実はこの犬種、 日本語では「ダンスク・スヴェンスク・ゴールフンド」という表記 も存在します。
これは原語(デンマーク語・スウェーデン語)をカタカナに置き換えたもので、特にウィキペディアなどで使用されています。

ただし、AKCの正式名称や国際的な犬種名としては「Danish–Swedish Farmdog」が使われており、 今後は日本でも「デンマーク・スウェーデン・ファームドッグ」に統一されていく でしょう。

デンマーク・スウェーデン・ファームドッグを飼うときのポイント

デンマーク・スウェーデン・ファームドッグは魅力的なパートナーですが、 適切な飼い方を理解しておくことも大切 です。

まず、毎日しっかりと運動をさせましょう。
小柄ながら運動能力は非常に高く、 散歩だけでなくボール遊びやアジリティなどもおすすめ です。

また、 知的な刺激を好むため、トリックやコマンドの練習なども有効 です。
褒められることが好きなので、楽しくトレーニングすることで絆も深まります。

被毛の手入れは比較的ラクで、 週に1~2回のブラッシングと月1回程度のシャンプーで十分 でしょう。

今注目の新犬種

デンマーク・スウェーデン・ファームドッグは、 可愛さと賢さを兼ね揃えた小型のワーキングドッグ
歴史的にも「農場の相棒」として大きな役割を果たしてきたタフで誇り高い犬種でもあります

今後、日本でもブリーダーやメディアを通じて名前を目にする機会が増えていくかもしれません。
その時はぜひデンマーク・スウェーデン・ファームドッグの歴史にも思いを馳せてください。

ペトラ編集部のプロフィール画像

ペトラ編集部

ペトラ編集部がお役立ちペット情報をお届け!