ハスキーとマラミュートの違いは? 見た目・性格・ルーツを比較!

遠くを見つめるシベリアン・ハスキーの画像

寒冷地の作業犬として知られるシベリアン・ハスキーとアラスカン・マラミュート。
見た目が似ているため混同されがちですが、実は性格や体格、作業内容などにおいて違いがあります。

今回は、この2犬種の違いと、近い地域で同作業を与えられ、ギネスレコードより「最古の犬種」とも言われるグリーンランド・ドッグについても少しご紹介します。

そり犬の背を通してみる絶景

スピードのハスキーとパワーのマラミュート

雪原の仲良しハスキー

ハスキーとマラミュートの違いとしてまず明らかなのが、体格の差。

シベリアン・ハスキーは体重20〜27kg前後で、すっきりとした体型をしています。
細く長い脚は走行性能を高め、軽快な動きが特徴です。

対してアラスカン・マラミュートは35〜45kgほどで、骨太でどっしりとした印象を持ちます。
筋肉質な体は、重い荷物を力強く引くのに適しています。

スピード重視のハスキーとパワー重視のマラミュート
どちらも犬ぞり犬ではありますが、その役割の違いが体格に表れています。

気さくなハスキーと慎重なマラミュート

雪の中佇むアラスカン・マラミュート

シベリアン・ハスキーは、明るく社交的な性格の持ち主。
初対面の人や動物にも物怖じせず、遊び好きな一面があります。
ただ、警戒心が薄く、番犬向きとは言えません。

アラスカン・マラミュートは落ち着いた気質を持ち、家族との絆を大切にします。
警戒心がやや強いため、慣れない相手に対して慎重に接する傾向があります。

一方、 どちらも群れ意識が強く、しつけには根気と信頼関係が必要 な点では共通しています。

鳴き声・吠え癖にも違いが?

シベリアン・ハスキーといえば「オオカミっぽい遠吠え」でも知られていますが、実は 吠えるよりも「喋る」ことが多く、ウーウー、アウアウといった独特な鳴き声 もよく聞かれます。

無駄吠えが少ないというのは、集合住宅で飼いたい人には大きなポイントかもしれません。

一方、アラスカン・マラミュートも基本的には静かですが、番犬気質が強いため「吠えるべきシーンでは吠える犬種」といえるかも知れません。

ロシアとアラスカ、それぞれの歴史

シベリアン・ハスキーの起源はロシア東部のチュクチ族 にさかのぼります。

厳しい自然環境の中で、長距離の移動や物資の運搬に用いられてきました。
アメリカへ渡ったのは20世紀初頭で、そこから犬ぞりレースや探検活動でも活躍するようになりました。

一方、 アラスカン・マラミュートは、アラスカ先住民のマラミュート族 により育てられてきた犬種です。
少ない頭数で重い荷をじっくり運ぶ能力が求められたため、力強さが重要視されました。

似ているようで、それぞれが異なるニーズに応じて発展してきたのです。

最古の犬種として知られるグリーンランド・ドッグ

丘の上のグリーンランド・ドッグ

話はややそれますが、 ギネスレコードより「最古の犬種のひとつ」として挙げられる犬種に グリーンランド・ドッグ がいます。
イヌイットとともに北極圏で長年使役され、現在も実用犬として生きている犬種のひとつです。

グリーンランド・ドッグは、シベリアン・ハスキーやアラスカン・マラミュートと同じスピッツ系の祖先を持ちながら、比較的改良の少ない犬種とされており より原始的な特徴を残している といわれます。

あくまでそり犬文化におけるルーツのひとつとして、参考程度に知っておくと面白いかも知れません。

似ているようで似ていない、かなり似ているシベリアン・ハスキーとアラスカン・マラミュート

シベリアン・ハスキーとアラスカン・マラミュートは、見た目こそ似ていますが、その背景や役割には違いがあります。

スリムでスピードを重視したハスキーは、チュクチ族の生活に密着した犬種。
対して、力強く落ち着いたマラミュートは、アラスカでの重労働に対応するための犬種でした。

それぞれのルーツや歴史を理解することで、いつもの愛犬もまた違った見え方になるかも知れません。

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