犬のトレーニングには犬笛がおすすめ! 犬笛の仕組みや使い方

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人の耳には聞こえず、犬の耳にははっきり聞こえるという、まるでスパイの秘密道具のような魔法のアイテム「犬笛」。
一見、ファンタジーやミステリーの小道具ですが、犬とのコミュニケーションをスムーズにするに当たって、とても実用的なツールです。

今回は、犬笛の仕組みから使い方、注意点をご紹介していきます。

人には聞こえない高周波を発する犬笛

犬笛とは、人にはほとんど聞こえない高周波の音を出す特殊な笛のこと。
犬の耳は人よりはるかに高い音域を聞き取れるため、犬笛の音をしっかりキャッチできます。
さらに、環境による雑音の影響を受けにくいため、声が届きにくい距離や状況でも、安定して合図を伝えられるのが犬笛の大きな特徴です。

また、人の声は感情や体調で変わりますが、犬笛の音はいつ吹いてもほぼ一定。
この「ブレのなさ」が、しつけの効率を上げてくれる理由のひとつです。

近距離での犬笛に注意

犬笛の注意点として、人の耳には聞こえないためボリューム感を調整できない点。

ただし、多くの犬笛は音量が大きくなりすぎないように設計されているため、大抵の場合は問題ありません。
短く軽く吹くように意識し、犬の様子を観察するようにしてください。

耳を伏せる、顔をそむけるなどの反応があれば少し刺激が強い可能性が、自然に振り向いてくれるなら適正な使い方ができているといえるでしょう。
極端に犬の耳元で強く吹くことがないようにだけ注意してください。

犬笛を使ったトレーニングの基本

犬笛のトレーニング方法は意外とシンプルで、まずは「笛の音」の条件づけから始めます。
具体的には「笛の音はポジティブな合図」という条件付けをするのが基本です。

第一歩として、軽く「ピッ」と笛を吹いて、すぐにごほうびを与える。
これを繰り返すことで、犬は音の意味を理解していきます。
やがて笛を吹いた瞬間にしっかりと振り向くようになったら準備完了です。

犬笛を使った「呼び戻し」

次のステップは「呼び戻し」の練習です。
近い距離で笛を吹き、犬がこちらに来たら褒めてすぐごほうび。
慣れてきたら徐々に距離を伸ばし、屋外など環境が変わっても反応できるよう練習を続けます。

犬は環境の影響を受けやすいので、段階的かつ継続的なステップアップがとても大切です。

絶対に犬笛を「罰」に使わない

ひとつ大切な注意点として、犬笛は「罰」として使わないこと
吠えた時に犬笛を吹いて驚かせる、といった使い方は逆効果になりやすく、犬の不安を強めてしまいます。
犬が積極的に反応してくれるのは、あくまでポジティブな合図に対して。
ネガティブな合図には犬も消極的になってしまうため、避けるようにしてください。

犬以外にも聞こえる犬笛

犬笛は「犬にだけに聞こえる音」と思われがちですが、実はそうでもありません。

身近な動物では猫やうさぎ、フェレットやげっ歯類の耳にも高周波は届きます。

猫のトレーニングに犬笛を使うトレーナーさんもいるため、同じ空間にたくさんの動物がいるようなシチュエーションでの使用は注意が必要です。

シンプルかつ強力な伝統的ツール「犬笛」

犬笛はシンプルな道具ですが、正しく使えば、より犬と人のコミュニケーションをスムーズにしてくれます。
特に呼び戻しのトレーニングとは相性が良く、安全面でも大きなメリットがあります。

愛犬との距離をもっと縮めたい方や、通常のトレーニングで行き詰まっている方はぜひ試してみてください。

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ペトラ編集部

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