ピエンノロトマトとは? イタリア伝統の「吊るしトマト」を育てよう!

「ピエンノロトマト」という名前を聞いたことはありますか?
ちょっと耳慣れない響きですが、じつはイタリア・ナポリの家庭には欠かせない品種改良なしの 伝統のトマト なんです。
今回は、ピエンノロトマトの特徴から、日本での育て方、種取り方法まで 家庭菜園好き必見の情報 をご紹介していきます。
ピエンノロトマトとは?
ピエンノロトマト(Pomodorino del Piennolo del Vesuvio)は イタリア南部・ナポリ近郊のヴェスヴィオ火山の斜面 で育つ、伝統的な小型のトマトです。
「赤い宝石」とも呼ばれる外見は小ぶりで、涙型のような愛らしいフォルムが特徴です。
また、特筆すべきは皮がしっかりしていて水気が少なく 日持ちが良い ということ。
このトマトは「ピエンノロ=吊るす」という名前の通り、収穫後に 房ごと吊るして保存する という独自の方法で冬場まで保存が可能なんです(日本の気候ではやや難しいですが……)。
この保存方法は、冷蔵庫のない時代から受け継がれてきた ナポリの知恵の象徴 でもあります。
日本で育てるピエンノロトマト
日本でピエンノロトマトを育てる場合、一般的なプチトマトと同じように 3月中旬〜4月上旬の種まきがおすすめ です。
この時期から育苗をはじめ、5月に定植、6月〜9月に収穫がが見込めます。
ただし、ピエンノロトマトは 本場イタリアでもやや成長に時間のかかる品種 。
地域によっては、 室内や温室での早めの育苗が成功のポイント になります。
発芽適温は20〜28℃ほどなので、寒冷地の場合は育苗器の活用を検討しましょう。
水やりのポイントは「乾燥気味」に
ピエンノロトマトに限らずトマト全般そうですが、水をやりすぎないほうが美味しく育つケースが多いです。
とくに、実がついてからは、水を控えることで糖度が高くなり味に深みが出ます。
苗のうちは表土が乾いたらたっぷり水をあげますが、定植後はつぎのことを意識してください。
- 土が完全に乾いてから朝にたっぷり水やり
- 梅雨時期は水を控える(自然の雨で十分)
- 鉢植えなら 表面だけでなく中も乾いているか確認してから 水を与える
- 実がつき始めたら週に1〜2回、やや乾かし気味に
「水はトマトの甘さを薄める」と覚えておくとわかりやすいですね。
芽かきで収穫量アップ
トマトのわき芽(葉の付け根から出てくる新しい芽)を早めに摘む作業を「芽かき」といいます。
わき芽を放置すると 枝が増えすぎて栄養が分散し、実つきが悪くなったり、蒸れの原因になります 。
主枝1本に栄養を集中させるために、週に1回程度、こまめにわき芽を取るのが基本です。
芽かきした部分は、挿し芽(差し木)として育てることも可能です。
斜め植えでより丈夫なトマトに
ピエンノロトマトの苗を植える際、 茎を斜めに寝かせて植える「斜め植え」や「深植え」が効果的 です。
これは茎からも根を出すトマトの特性を活かしたテクニックで、根張りが良くなり、丈夫に育ちやすくなるメリットがあります。
葉の整理も忘れずに
収穫が終わった花房より下の葉や、黄色くなった葉、傷んだ葉は早めに切り取るのがおすすめです。
- 病気の予防になる
- 株元の風通しが良くなる
- 栄養が実に集中する
一度に大量に切るのではなく、週に1〜2回、数枚ずつ整理するのがポイントです。
自家採種(種の収穫)もできる!
ピエンノロトマトは 自家採種も可能 です。
来年も同じ味を楽しむために、ぜひ種取りにも挑戦してみましょう。
- 完熟した実を選び、中の種と果肉を取り出す
- 容器で1〜3日発酵させる(表面に白い膜が出たらOK)
- 水でよく洗い、沈んだ種だけを残す
- 日陰でしっかり乾燥させる
- 容器に入れて冷暗所で保管
これで翌年も自家製ピエンノロトマトが楽しめます。
味も歴史も深いピエンノロトマト
エンノロトマトは、 甘み・酸味・保存性に優れたイタリア伝統のトマト 。
日本でも比較的簡単に美味しく育てることができます。
- 早めの種まき
- 乾燥気味の管理
- こまめな芽かきと葉の整理
これらのポイントを守れば、ギュッと甘みの詰まった房成りの赤い宝石が、あなたの家庭菜園でも楽しめます!
- 2025.06.17