雪の森の精「エゾモモンガ」の魅力

木に掴まるエゾモモンガの画像

エゾモモンガは、北海道の森林にだけ生息する日本固有のモモンガです。 体長はおよそ15cmほどで、しっぽを入れても20cmちょっと。 ニホンモモンガと比べても小さな手のひらサイズの体と、クリクリした大きな瞳が特徴です。

モモンガの特徴といえばそれまでですが、この エゾモモンガにも「滑空する膜(皮膜)」があります 。 前足と後ろ足の間にあるこの皮膜を広げて、まるでパラグライダーのように空中をふわっと飛び移ります。 これにより、木から木へと移動しやすく、外敵から逃げる際にもとても役立っています。

また、 夜行性のため昼間はなかなか見ることができません 。 日が沈んでから活発に動き出し、主に樹上で生活しています。

冬眠はせず、雪深い北海道の森でも、ふわふわの毛で寒さをしのぎながら寄り集まって暮らしているそうです。

エゾモモンガを見るには?

エゾモモンガは北海道の広範囲に分布しています が、見られるかどうかは完全に運次第。 ですが、比較的目撃情報が多いエリアはいくつかあります。

代表的なのは、 美瑛や富良野、そして東川町 など。 とくに「 白金青い池 」や「 十勝岳周辺 」は、モモンガファンの間でも知られた観察スポットだそうです。 他にも 釧路湿原や支笏湖周辺の森林でも目撃例がある のだとか。

観察のベストシーズンは、木の葉が落ちて見通しのよくなる冬の朝や夕方。 日が沈む直前から活発になるので、そのタイミングを狙って訪れるのがおすすめです。

ただし、雪道や寒さへの対策は万全にしておきましょう。

また、 静かに・ライトの光に気をつけながら観察するのがマナー です。

エゾモモンガに関する法律

この愛らしい生き物が発見されると、SNSは瞬く間に「飼いたい!」「かわいすぎる!」という声で溢れました。

全く持って同意見ですが、 エゾモモンガは野生動物保護法により捕獲・飼育が禁止 されています。 たとえ怪我をしていた個体であっても、許可なく保護したり飼ったりすることはできません。

また、エゾモモンガは とても繊細でストレスに弱い生き物 です。 人の生活音や光、気温の変化などに弱く、飼育環境を整えるのは非常に困難です。

仮に法律が許していても、一般家庭での飼育は難しいと言わざるを得ません

鳴き声や仕草がかわいすぎる! SNSで人気の理由とは?

エゾモモンガの人気の理由として、その ビジュアルと仕草、そしてその鳴き声 にあります。

つぶらな瞳と丸っこい体、ふわふわの毛。 そのうえ、滑空する姿や巣穴からひょこっと顔を出す様子は、まるでアニメのワンシーンを切り取ったかのよう。

極めつけは「チチチ」「ピピピ」という「可愛い」をそのまま音源化したような 小さく高い鳴き声 。 その声もとてもかわいらしく、録音して楽しんでいる人もいるそうです。

近年では、夜間の観察に成功した人が 高性能カメラで撮影した動画や写真 をSNSで公開することも増えていて、これもエゾモモンガの人気に拍車をかけています。

余談ですが、かの有名な「ざんねんないきもの」でも、「滑空はうまいのに着地が下手で木に激突するざんねんないきもの」として紹介されているそう。 ギャップなのか逆にギャップではないのか判断に迷いますが、間違いなく「持っている」生き物と言えるでしょう。

エゾモモンガに出会うために

エゾモモンガは、北海道の豊かな自然が育んだ 貴重な存在 です。 そのかわいさに惹かれるのは自然なことですが、 「野生動物として尊重する」という意識を忘れてはいけません

もし観察に出かけるなら、ルールを守って静かに見守りましょう。 そして、写真や動画に収めた感動を誰かと共有するときも、「守ることの大切さ」を一緒に伝えていけたら素敵ですね。

エゾモモンガは、人と自然のやさしいつながりを思い出させてくれる存在です。 北海道の森で、あなたも小さな妖精に出会ってみませんか?

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