広告・忖度なし! 最強のドッグフードの探し方(完全保存版)

愛犬にはいつまでも長生きしてほしいもの。 その想いを強く抱いた飼い主さんがまず最初にぶつかる難所が ドッグフード選び です。
多くの人が「 ドッグフード ヒューマングレード 」や「 ドッグフード グルテンフリー 」などで検索し、目を皿にして数々のランキングから厳選したフードを与えているのではないでしょうか。
すべては愛犬の長寿のために。
しかし、結論から申し上げますと 残念ながら不十分 です。
ドッグフードはどう選ぶ?
当サイトにも広告はあるため大きな声で批判もできませんが、多くのランキングが「 売れた際に受け取れるキャッシュバックの大きい順 」に作られているというのが現実です。
商品の説明を読み進めて、購入ページへのURLがやたらと長いものはまず広告と思って間違いないでしょう。
それ自体は批判できるものではありません。
多くのウェブサイト運営には少なからずコストが掛かっています。
作るコスト、調べるコスト、まとめるコスト、維持するコスト。
よほどの大富豪でなければ、ボランティアでは続けていけないのも事実です。
しかし、だからといって 自分の愛犬がその営利活動のしわ寄せを受ける としたらどうでしょうか?
避ける方法はただひとつ。
自分で調べて、自分で判断して、自分で選ぶ ことです。
今回は、あらゆるトレンドや忖度を無視して、純然たる科学と歴史の観点からドッグフードを選ぶ方法をご紹介します。
特定の商品をお勧めすることはありません。
選び方を学んで、あくまで 自分のご判断で選んでください 。
犬は肉食? 雑食?
ドッグフードを調べると、必ず「 犬は本来肉食動物だから 」という話が出てきます。
これは 半分正解で半分不正解 です。
確かに犬、そして祖先である狼はもともと肉食動物。
そして人と歩んだ歴史の中で、ある程度穀物を食べるようになったという背景があります。
具体的にいうと、犬の消化器官の長さは体長の約4〜6倍。
肉食の猫が3〜4倍、雑食の人が10〜12倍、草食の牛は20倍以上といわれているため、ここをみると犬は「 かなり肉食よりの雑食 」といえそうです。
そして、でんぷん質(炭水化物)を分解するための重要な消化酵素が「アミラーゼ」。
犬たちはこれを膵臓から分泌できるよう進化しました。
つまり、 犬は肉食動物でありながら、確かに雑食動物でもある のです。
雑食と草食の違い
肉食動物とは、肉を食べる動物。
草食動物とは、草を食べる動物。
では、雑食動物とはなんでしょう?
「 肉も草も食べる動物 」だと思っていませんか?
実はこれも半分不正解。
草食動物の多くは「繊維質」を栄養源としますが、雑食動物の多くは「炭水化物」を栄養源とします。
例えば、 犬を雑食たらしめる「アミラーゼ」を多くの草食動物は備えていません 。
肉食と草食のハイブリットが雑食なのではなく、 雑食という「肉と穀類・糖類」を食べる別の食性 だと考えてください。
腐らせるには惜しい、犬の雑食能力
先程もご紹介した「犬は本来肉食動物だから」という言説。
これは一面では真実です。
確かに犬は本来肉食。
あくまでメインの栄養源は肉、高タンパクであるべきです。
しかし、 犬たちは今「本来」の暮らしをしている でしょうか。
かつて狼だった頃のように、過酷な自然環境に身を置き、昼夜問わず狩りに明け暮れているでしょうか。
答えは否です。
1日1度、数時間程度の散歩だけが現代の犬の平均的な運動量 ではないでしょうか。
さらにいえば、かつて 狼だった頃の彼らは決して健康寿命が長いとは言えなかった はずです。
それなのに、食生活のみ当時をなぞるのが正解なはずがありません。
そこで思い出してほしいのが、 犬の雑食能力 です。
早く安定性の高いエネルギー源としての炭水化物
肉食で得られる脂質やタンパク質と比較して、 炭水化物は早く、そして安定してエネルギーに変換できる栄養素 です。
例えば運動量の多い活動的な犬であれば、炭水化物をあわせて接種することで、より効率良くカロリーを補えます。
低GI食材で安定した血糖値
低GI食材とは、低グリセミック・インデックス食品、つまり食後の血糖値の上昇がゆるやかな食材のこと。
この 低GIなさつまいもや玄米、オートミールを活用することで、食べ過ぎを防いだり、少ない量でも満腹感が得られやすくなります 。
例えば、肉食を前提に高タンパクなフードで考えたとき、運動量の減ってしまった高齢犬が1日に食べられるフードの量はかなり制限されてしまいます。
しかしここに 少しの炭水化物を加えることで、食の楽しみを奪うことなく、適切な栄養をキープできる ようになります。
あくまで極端な例ですが、 肉食だからと高たんぱくのフードを食べすぎて肥満になってしまったり、逆に適正量ながら少なく感じてストレスを抱えてしまう よりは、少量の炭水化物を活用することでより健康的にすごせることがおわかりいただけると思います。
食物繊維による腸内環境の正常化
かぼちゃやさつまいも、バナナなどに含まれる可溶性食物繊維(イヌリン、フラクトオリゴ糖)は腸内の善玉菌の餌となり、便の安定やガス抑制、慢性的な下痢・便秘の改善に非常に効果的です。
話はそれますが、従来の 肉食動物はどのように腸内環境を整えているか、ご存知ですか?
例えば、犬の祖先たる狼ですが、
- 短い腸ですばやく消化する
- 食べた草食動物の胃の内容物、発酵して消化できるようになった植物質で整える
- 食べた動物の毛皮などを「猫にとっての猫草」のように活用する
などで悪玉菌の増加、つまり腸内環境の悪化を防いでいます。
おわかりのように、 現代の犬にかつての「短い腸」はそもそもありませんし、生きた動物を食べる機会もありません 。
雑食能力が進化したように、肉食能力は退化している ため「 かつてのように肉食動物として扱う 」だけでは、最悪の場合健康を損ねてしまいます。
犬種による雑食能力の違いは?
ここまで雑食を前提に話を進めてきましたが、当然この雑食力、つまり炭水化物の消化能力も犬種ごとに違います。
これはほぼ人との歴史の長さに比例するそうで、極めて原種に近い秋田犬やシベリアン・ハスキーは炭水化物の消化能力が低く、逆に作業犬として長い歴史を人とともに歩んできたプードルやビーグル、ゴールデンレトリバーなどは消化能力が高いそうです。
ただし、ここには 個体差もあるため犬種でひと括りにせず、あくまで愛犬を観察することが重要 です。
犬の雑食能力は人と生きた進化の証
結論として、 犬は確かに限りなく肉食動物 です。
しかし、人とともに生きるにあたって 遺伝子的な進化を経て、雑食能力を獲得した肉食動物 です。
ドッグフード選びはランキング任せにするのではなく、 「グレインフリー」や「国産」「ヒューマングレード」などのラベルに踊らされる のではなく、 愛犬の体質や性格、運動量、ライフステージなどを加味して 適切に選ぶことが何より大切です。
犬たちが進化によって新たな食性を受け入れたように、飼い主が「選び方」を少し変えることも、きっと難しくないはずです。
- 2025.04.19