犬と赤ちゃんが一緒に暮らすときに気をつけたいこと

男の子と遊ぶボーダーコリーの画像

赤ちゃんと犬が一緒に暮らす生活は 心を育てるうえで理想的な環境 といわれています。

たしかに、犬とのふれあいを通じて、思いやりや責任感、感受性が育まれるというのはよく知られている話です。
テレビCMやドラマで、赤ちゃんと犬が仲良く寄り添う姿を見て「うちもこんな風に暮らせたら素敵だな」と感じたことのある方も多いのではないでしょうか。

ですが、実際に赤ちゃんと犬が同じ空間で生活するには、想像以上の注意と準備が必要です。
今回は「犬と赤ちゃんが安全かつ幸せに暮らすために必要なこと」を、専門的な視点も交えながら詳しく解説します

赤ちゃんと犬が同居する前に確認したい健康リスク

赤ちゃんと犬の共生で最も注意が必要なのが 健康面での影響 です。

とくに気をつけたいのが アレルギーや喘息 といった体質に関わる問題です。
ペットを迎えたあと、「急に赤ちゃんが咳き込むようになった」「肌が赤くなってきた」などの異変に気づくケースは少なくありません。

これは、犬の抜け毛や皮膚から出るフケ(アレルゲン)、ハウスダストの増加などが影響している可能性があります。

厄介なのは 事前にこうした症状が出るかどうかを100%見極めるのが難しい ということ。

中には全く問題がない赤ちゃんもいますが、体質的に敏感な子の場合は、思わぬ不調につながることもあるのです。
ペットを迎える前には、以下のようなステップを取ることをおすすめします。

  • 犬と接する短時間の機会を設け、赤ちゃんの様子を観察する
  • 可能であれば、友人宅などで犬と過ごしてみる
  • 赤ちゃんのかかりつけ小児科医に相談しておく

最悪の場合、犬を手放さざるを得ない決断をするご家庭もあります。

家族全員が幸せに暮らすためには、迎える前の慎重な判断がとても重要です

犬による赤ちゃんへの攻撃事故

「うちの犬はおとなしいから大丈夫」

そんな油断が、取り返しのつかない事故につながることもあります。

実際、 犬が赤ちゃんを噛んでしまった というトラブルは毎年のように報告されています。

とくに注意が必要なのは、次のようなケースです。

  • 赤ちゃんが生まれる前から飼っている犬
  • 赤ちゃんと犬がほぼ同時期に家族になった

犬は非常に感情豊かな動物です。

普段は穏やかでも 赤ちゃんに家族の愛情が集中すると、やきもちを焼いてしまうことがあります

また、赤ちゃんが泣いたり、突然手を動かしたりする様子に驚いて、思わぬ行動に出ることも。
こうした事故は、「しつけができていない」からではなく 犬にとって予測できない環境変化への反応 が原因であることが多いのです。

そのため、

  • 赤ちゃんのいる部屋には基本的に犬を入れない
  • 赤ちゃんと犬がふれあうときは必ず大人が同席する
  • 犬が安心できる“自分だけのスペース”を用意する

といった工夫が欠かせません。

犬と赤ちゃん、どちらにとっても安全で快適な生活環境を整えることが、最初のステップです

犬の心も忘れずに。愛情とケアは平等に

赤ちゃんが生まれると、家族の生活は一変します。
どうしても赤ちゃん中心のスケジュールになり、犬の散歩や遊びの時間が後回しになることもあるでしょう。

ですが、犬は非常に繊細な生き物です。

「最近かまってもらえない」「散歩の時間が短い」といった 変化に強いストレスを感じる こともあります。
犬は赤ちゃんの情操教育に大きく貢献してくれますが、それは 犬自身が幸せであることが大前提 です。

つぎのような視点で、自分たちの生活を見直してみましょう。

  • 赤ちゃんのケアと並行して、犬の運動やお手入れの時間が取れるか
  • 家族の誰かが、犬のケアを分担できるか
  • 留守番時間が長くなりすぎないか
  • 鳴き声や匂い、抜け毛への対処ができるか

犬にとっても「家族の一員として受け入れてもらえている」という実感が何よりの幸せです。

そのためには 赤ちゃんにも犬にも「目と手をかける」ことが必要 なのです。

赤ちゃんと犬の相性を見極めながら、あたたかい関係を育もう

ここまで読んで、「ちょっと大変そう……」と感じた方もいるかもしれません。

たしかに、赤ちゃんと犬が同じ屋根の下で暮らすには、注意すべきことがたくさんあります。
その一方で 赤ちゃんと犬が心を通わせる姿 には、何にも代えがたい温かさがあります。

赤ちゃんが歩き始めた頃、そっと寄り添って見守る犬。
泣いている赤ちゃんのそばにおもちゃを持ってきてくれる犬。
そんな日々の中で、赤ちゃんはたくさんの「やさしさ」や「信頼」を学んでいきます。

もちろん、最初からうまくいくとは限りません。

でも 家族全員が無理なく、無理強いせずに支え合える関係性 をつくることで、きっとお互いにとってかけがえのない存在になれるはずです。

赤ちゃんと犬の共生は「準備」と「配慮」がカギ

赤ちゃんと犬が一緒に暮らすには、

  • 健康面でのリスクを事前にチェックすること
  • 事故やトラブルを防ぐための安全対策をとること
  • 犬の心にも十分な配慮をすること

この3つがとても大切です。

情操教育という観点だけでなく、家族みんなの幸せを育むために、事前の準備をしっかり整えておきましょう

犬も赤ちゃんも、どちらも家族の大切な一員。
お互いを尊重しながら、やさしい時間を重ねていきたいですね。

ペトラ編集部のプロフィール画像

ペトラ編集部

ペトラ編集部がお役立ちペット情報をお届け!