猫に牛乳はダメ！ 乳製品のリスクと安全な猫用ミルク

「猫、とりわけ子猫といえばミルク」

そんなイメージはありませんか？
でも、 実はほとんどの乳製品が猫にとっては要注意 なんです。

今回は、猫と乳製品の相性についてわかりやすくご紹介していきます。

特に成猫に牛乳はNG！

結論から言えば、 多くの猫に牛乳は不向きです 。
そこには牛乳に含まれる「乳糖（ラクトース）」が関係しています。

乳糖は本来、「ラクターゼ」という酵素によって分解されますが、 ほとんどの猫はこのラクターゼの分泌が少ない のです。
特に子猫から成猫に成長するにつれラクターゼの分泌量は減少していくため、乳糖を分解できずにお腹を壊してしまう可能性があります。

乳糖不耐症による下痢症状

乳糖を分解できずに起こる症状は「乳糖不耐症」と呼ばれ、 消化不良や下痢、嘔吐の原因 となることがあります。
「うちの子は平気そう」と思っていても、実は気づかないうちに体に負担がかかっているケースも。

症状がみえなくても腸内環境に悪影響を及ぼしていることもあるので、くれぐれも注意が必要です。

子猫でも牛乳はダメ！

誤解されやすいのですが、 子猫にも牛乳はNG です。

子猫は生後しばらくのあいだ、 乳糖を分解する「ラクターゼ」を十分に持っています が、これはあくまで母猫の母乳を消化・吸収するためのもの。
猫の母乳と比べると、牛乳は乳糖の量が多く、脂肪分の種類も異なるため子猫にとっては消化が難しい場合があります。

チーズやバターも脂肪分でNG！

牛乳以外の乳製品、たとえば チーズやバターも基本的には避けたほうがいい とされています。

チーズは製造過程で乳糖が分解されていることもあり、消化の面では問題になるケースは少ないでしょう。
しかし、 チーズには乳糖だけでなく塩分や脂肪分も多く含まれています 。

塩分の過剰摂取は腎臓への負担 につながり、脂肪分の多さは肥満や膵炎のリスクを高めます。

バターはさらに危険です。

ほぼ純粋な動物性脂肪でできており、 乳糖は少ないものの脂肪分が極端に高い のが特徴です。
これが猫の消化器官に大きな負担を与え、やはり 膵炎などを引き起こすリスク があります。

マーガリンやバター風味の食品も添加物が多く含まれているため、猫には絶対におすすめできません。

ミルクを与えるなら猫用ミルク

最近は猫専用のミルクがたくさん販売されています。 牛乳と違い、 乳糖を除去したりビフィズス菌が配合されていたり と猫の健康に配慮された設計になっています。

ミルクの欠かせない子猫や口内炎などでウェットフードが食べにくい成猫にはこうした猫用のミルクがおすすめです。

安全に向き合うために

猫にとって牛乳・乳製品は危険なもの であることを忘れないでください。
少量で症状が出る子もいれば、しばらくは何の変化もなくおいしそうに飲む子もいます。
しかし、体の中で起きている変化は外から見えにくいものです。

子猫などどうしてもミルクを与えたい場合には、必ず猫用の製品を選ぶこと、そして健康への影響をよく理解しておくことが大切です。